ー ときの話題 ー §47
1 海のPFAS汚染
2 ヒョウモンダコ
3 気になるニュース・トピック・心配ごと
⑴ この冬(2025~2026)の振り返りと今夏
⑵ MSJC pickup
① <海浜事故> ダイビング・ウインドサーフィン
➁ 北海道・三陸沖後発地震注意情報
広告
日本茶や抹茶スイーツの通販なら【祇園辻利・茶寮都路里オンラインショップ】
1 海のPFAS汚染
「永遠の化学物質」と呼ばれている「PFAS」ですが、最近はひと頃ほど大きな社会問題としてとり上げられなくなってきました。といって「PFAS」が無くなってきたわけではありません。
「PFAS」につきましては、「四方海話69」で取り上げておりますので、詳細は省きますが、昨年12月末、環境省から「令和6年度 化学物質環境実態調査結果(概要)」が公表されました。公表に先立つ黒本(行政や組織が内部用に編集する“非公開の詳細調査報告書)のなかでは「¹POPs 濃度は総じて横ばい又は漸減傾向」と表現されていましたが、喜んでは居られません。難分解性・長距離移動性の特性があるため、拡散、沈降あるいは希釈されただけで、調査ポイントでの数値のみの傾向でしかなく、環境中に広くばら撒かれています。
PFASとPOPsの関係
POPs指定PFAS⊆PFAS・PFAS⊉POPs・PFAS∩POPs≠∅
PFAS は 12,000 種以上の巨大な化学物質群であり、そのうち PFOS・PFOA・PFHxS・LC‑PFCA の4群のみが POPs に指定されている。したがって、POPs指定PFAS ⊆ PFAS であり、PFAS ⊉ POPs である。また 、PFAS と POPs は交わりを持つため、PFAS ∩ POPs ≠ ∅ が成立することとなります。
¹POPs(Persistent Organic Pollutants:残留性有機汚染物質):極めて分解されにくく、環境中を長距離移動し、生物に蓄積し、健康・生態系に有害性を示す化学物質群のことで、2004年に発効したPOPsの製造・使用・排出を削減・廃絶し、人と環境を保護するためのストックホルム条約(日本も批准済)により加盟国は
- POPsの製造・使用の禁止/制限
- 排出削減
- 大気・水質・底質・生物についてのモニタリング
を実施する義務がある。 ストックホルム条約 | POPs | 保健・化学物質対策 | 環境省
POPs(残留性有機汚染物質)にはどのような化学物質があるか?
POPs とは毒性・難分解性・生物蓄積性・長距離移動性 4 つの性質を満たす化学物質です。そのため、海域・底質・大気・生物濃縮の観点から、PFAS と同様に長期的な環境への悪影響をもたらします。
- 農薬系 :DDT(世界的に最も有名な農薬で、分解しても残留性が極めて高いとされる。)、HCH 類(リンデン、殺虫剤として広く使用され、日本沿岸でも検出される。)、アルドリン(土壌の害虫駆除対策に使用。)など、13種。
- 難燃剤(臭素系難燃剤):PBDE(ポリ臭素化ジフェニルエーテル、電気・電子機器、家具、繊維などに大量使用されてきた。)、TetraBDE(テトラブロモジフェニルエーテル、可燃性の高いプラスチックやフォーム材に添加し、発火リスクを下げること。生物蓄積性が高く、底質で長期残留。)、PentaBDE(ペンタブロモジフェニルエーテル、ウレタンフォーム向けの難燃剤、日本沿岸でも高頻度に検出される。)など、7種。
- 工業化学品:PCB(ポリ塩化ビフェニル、代表的な工業 POPs、変圧器・コンデンサ・熱媒体などに使用、極めて高い残留性・生物蓄積性があり、日本の底質・生物でも長期にわたり検出される中心物質。)、PCN(ポリ塩化ナフタレン、絶縁材・潤滑剤・難燃剤に使用。)など、7 種。
- 非意図的生成物:PCDD(ダイオキシン、廃棄物焼却、金属精錬、塩素系化学品の製造過程で生成される。毒性が極めて高く、底質に長期残留、閉鎖性海域でもホットスポット化しやすい。)、PCN(ポリ塩化ナフタレン、燃焼過程で非意図的に生成する。)など、4種。
- 塩素化パラフィン:SCCP(短鎖塩素化パラフィン、高い生物蓄積性・底質残留性があり、塩素含有率が高いほど疎水性が増し、底質に強く吸着する。)、MCCP(中鎖塩素化パラフィン、底質・生物蓄積の懸念が急上昇、可塑剤、難燃剤、潤滑油添加剤に使用。)の2種。
- PFAS 系:PFOS(ペルフルオロオクタンスルホン酸、泡消火剤・半導体・メッキなどに使用。)、PFOA(ペルフルオロオクタン酸、水系移動性が高く、河川 → 海域へ流入しやすい。)、PFHxS(ペルフルオロヘキサンスルホン酸、泡消火剤・撥水剤などに使用、PFOS より生物半減期が長い。)、LC-PFCA(長鎖ペルフルオロカルボン酸、底質吸着性が非常に高い、日本の閉鎖性海域でも蓄積が懸念される。)の4 種(4 グループ)。
- その他(新規追加物質):UV-328(紫外線吸収剤、プラスチック・ゴム・塗料の紫外線劣化防止剤、海洋プラスチックに吸着しやすく、長距離移動性が高い、海鳥の胃内容物や漂着ペレットから検出された。生物蓄積性が高く、国際的に問題視されている。)、クロルピリホス(有機リン系殺虫剤、神経毒性が強く、国際的に規制が急速に進行、水田・農地からの流出 → 河川 → 沿岸域への移行が懸念される。)の2種
POPs の範囲を指定する主体は、「ストックホルム条約締約国会議」(COP:原則2年毎に開催する。次回〔COP‑13〕の開催予定は2027 年 4 月 19〜30 日、パナマ市〔暫定〕となっています。)ですが、毎年 、候補となる物質を審査する「残留性有機汚染物質検討委員会」(POPRC:30か国+議長の 31名の専門家 で構成し、対象物質の特性(残留性・生物蓄積性・長距離移動性・有害性)を科学的に評価・検討しています。
日本沿岸の閉鎖性海域(東京湾・大阪湾・伊勢湾・瀬戸内海など)でのPFASの行方
- PFASは分解されにくく、「閉鎖性海域では外海との海水交換が限られる」ため、湾内に長期間留まりやすい。また、周辺河川からの継続的な流入がある限り濃度は下がりにくい。
- PFAS(PFOS・PFOA・PFHxS)は有機物や海底泥に吸着・沈殿し、一旦沈むと、数十年スケールで残留するとされる。
- 海底泥に吸着・沈殿したPFASは、台風・浚渫・船舶のスクリュー・冬季の海水の鉛直混合などにより再び海水中に戻り、拡散することもある。
- 閉鎖性海域から湾外へ、非常にゆっくりと(数年〜十数年スケール)流出する。
「環境省が「閉鎖性海域の海底泥におけるPFAS・POPsの残留調査」に本格的に取り組まないのは、制度設計そのものが“水道水・公共用水域(地下水)の水質”を中心に組まれており、海底泥や生物蓄積は制度の外側に置かれているため」とされていますが、いずれかの官庁が一元的に追跡調査を行っていかなければならないはずです。環境汚染物質に関わることであるのだから「環境省は率先して制度設計や構造的問題を解決すべきだと思います。」が、みなさんはどう考えますか?
広告
2 ヒョウモンダコ
2月末、富山県射水市新湊漁港付近で体長約10cmの「ヒョウモンダコ」が確認された旨の報道がありました。亜熱帯地方に生息するタコとして私にとって意識の外だったのですが、報道をよく読むと、フグ毒と同じ「テトロドトキシン」を持ち、噛まれると呼吸困難となり最悪死亡の危険があり、さらには海水温度上昇のため生息域が北上(日本海側は福井県、太平洋側では千葉県あたりまで)している由!

興奮時のヒョウモンダコの画像(AI生成画像)
分類
軟体動物門・頭足綱・八腕形上目・タコ目・マダコ科・ヒョウモンダコ属に分類され、種としては4種以上(ヒョウモンダコ・シマヒョウモンダコ・オオマルモンダコ など)が存在するそうです。
体長は10㌢くらいの小型のタコで、他のタコと同様に体色を素早く変化させることができる。周囲の岩や海藻に擬態するが、棒で突いたり触ったりして刺激を受ける、あるいは天敵に狙われて興奮すると、青い輪や線の模様のある明るい黄色の警告色に変化します。
生態
- 分布:亜熱帯~温帯(小笠原諸島・南西諸島〜オーストラリアの西太平洋)の浅い海域。
- 生息環境:岩礁・サンゴ礁・砂礫底・潮溜まりや磯場でも普通に見つかることがある。
- 活動時間:主に日中に活動し、夜間は岩の隙間などに張り付いて休んでいることが多い。
- 寿命:1年程度と短命で、夏に生まれ 越冬 の後 、春に産卵すると死んでしまう。
食性
肉食性で甲殻類(カニ・エビなど)、小魚などを食べる。
「タコ」は一般的に天敵(ウツボ・大型肉食魚など)に襲われると、墨を吐いたり、自切(天敵などに噛まれた腕を切り離す。)して時間を稼ぎ、逃走することがある。
一般的なタコ(マダコなど)の再生能力
タコは自切(autotomy)によって腕を切り離し、後に腕を再生する能力を持つ、動物界でも特に高度な再生能力を備えています。
- 外敵に腕を噛まれたりすると、自ら腕を切り離すことができる。この行動は「自切」(じせつ)と呼ばれ、捕食者の注意をそらして逃げるための防御行動だとされています。
- 切り離された腕はそのまま動き続け少しずつ再生する。
- 再生した腕は神経的にも元の腕と同等に機能するようになる。
- 腕だけでなく、神経束や中枢神経の一部まで再生できるのだそうです。
テトロドトキシン
フグの内臓にもあるという超強力な神経毒(青酸カリの約1,000倍?、人間の致死量は 数㎎ 程度 と極めて少量で、しかも耐熱性があり加熱しても無毒化しない。)で、人間が摂取すると「しびれ」⇒「運動麻痺」⇒「呼吸筋麻痺」⇒「意識はあるが動けない」⇒「呼吸停止」(重症時)の経過をたどる。
ヒョウモンダコの口内の唾液腺・筋肉・皮・生殖腺・消化器官・鰓などに存在するため、煮ても焼いても食べられませんし、解毒薬もない。また、唾液腺に存在するため噛まれると傷口から人間の体内に吸収されることになります。
毒を持つ主な海浜生物
- カツオノエボシ(電気クラゲ):青色の浮き袋が目印。触手は数mに及び、軽く触れただけで激痛がはしる、全国の太平洋側の海岸に漂着することがある。
- アンドンクラゲ:小型だが触手が長く、触ると痛みが強い。日本各地の海水浴場に出没する。
- アカクラゲ:赤い縞模様が特徴。刺されると痛いが致命的ではない。
- オニダルマオコゼ:背びれなどに猛毒の棘があり、死亡例もある。砂地に隠れているため踏みつける事故が多い。
- ミノカサゴ:美しいが背びれに毒棘があり、刺されると強い痛みがある。
- ゴンズイ:ナマズに似て髭がある黒い魚。群れで泳ぎ、背びれと胸びれに毒棘。夜の海で遭遇しやすい。
- アンボイナガイ(イモガイ類):神経毒を持つ“毒矢”で獲物を刺す。人間にも致命的。沖縄などで注意。
- ガンガゼ(ウニの一種):棘が細く長い。棘が刺さると激痛がある、棘が人の皮膚内に残りやすい。
毒を体内のアチコチに持つのに自分の毒で死なないのはなぜか?
ヒョウモンダコが自分の毒で死なないのは、テトロドトキシン(TTX)に対して“生理的耐性”を持つためで、毒が体内で作用しない仕組みを備えているからだとされています。
- 神経細胞の²ナトリウムチャネルが毒(TTX)に効かない特別仕様だからで、
- TTXは、神経細胞のナトリウムチャネルを塞いで麻痺させる毒である。
- ヒョウモンダコのチャネルは 形が少し違うため、神経細胞にTTXがくっつくことができず、毒が作用しない。
- TTXは共生細菌が作り、体内で安全に保管されているだけだから。
- 自身が毒を作るわけではない。
- 毒は隔離されており、神経細胞に触れることはない。
∴ヒョウモンダコは 「毒が効かない体」 と 「毒を安全に持つ仕組み」 の両方を持っているため、自分の毒では死ぬことはない。
²ナトリウムチャネル:神経細胞(ニューロン)の膜に埋め込まれている タンパク質の「チャネル(穴)」 のこと。正確には「電位依存性ナトリウムチャネル」といい、ナトリウムイオン(Na⁺)を細胞内に流し込む役目があり、チャネルが開くことで、神経細胞は 電気信号(活動電位) を発生させる。つまり、TTXがこのナトリウムチャネルの 入口(ポア)にピタッとはまり込むと、Na⁺(ナトリウムイオン)が神経細胞に入れない⇒神経が興奮できない⇒筋肉が動かせない⇒呼吸筋も止まる。
この厄介な「タコ」の生活環境が、海岸の磯場・潮溜まり・砂礫底などであることは「海岸」で自然観察などをしようとする人達にとって注意すべき生き物が増えた!特にこれからの季節、磯遊びをする子供たちにとっては脅威となるに違いない。これから海で遊ぶときには手袋(ダイビンググローブ)を手にして、滑り止めを兼ねてマリンブーツを履いていくことを強くお勧めします!
広告
3 気になるニュース・トピック・心配ごと
⑴ この冬(2025~2026)の振り返りと今夏
気温
2026年冬(前年12〜2月)の日本の平均気温の基準値(1991〜2020年の30年平均値)からの偏差は+0.90℃で、1898年の統計開始以降、5番目に高い値となりました。日本の冬(前年12〜2月)平均気温は、様々な変動を繰り返しながら上昇しており、長期的には100年あたり1.26℃の割合で上昇しています。(気象庁HP)

今冬(前年12〜2月)の日本の平均気温の基準値(1991〜2020年の30年平均値)からの偏差
(出典:気象庁HPより)・not edited.
オホーツク海の流氷面積
流氷の面積は、平年値の範囲を大幅に下回り、3月には最小値のラインをも下抜けてしまいました。

(出典:気象庁HP、海洋の健康診断より)・not edited.
日本近海の海水温度変化
気象庁の最新情報によると、この冬の日本近海の海面水温は
- 冬型気圧配置が強まりやすかった。
- ラニーニャ類似の海況(寒気が入りやすく、冬の海水温を押し下げた。)が2025年から継続した。
ため、平年よりやや低めの海域が多かったとされています。
しかしながら、長期解析では 日本近海の海面水温は +1.36℃ / 100年で上昇しており、 世界平均(+0.63℃)の約2倍のペースなのだそうです。
今年の夏はエルニーニョ?
4月10日に気象庁が発表したエルニーニョ監視速報(No.403)によれば、〔今後、春の間は平常の状態が続く可能性もある(40%)が、エルニーニョ現象が発生する可能性の方がより高くなり(60%)、夏にはエルニーニョ現象が発生する可能性が高い(70%)。〕とのこと。
エルニーニョ監視指数の経過と予測(気象庁)

エルニーニョ監視海域の監視指数(海面水温の基準値との差)の5か月移動平均値の経過と予測
エルニーニョ監視海域の監視指数(海面水温の基準値との差)の5か月移動平均値について、1月までの経過(観測値)を折れ線グラフで、大気海洋結合モデルによる予測結果(70%の確率で入ると予想される範囲)をボックスで示している。監視指数の5か月移動平均値が赤(+0.5℃以上)/青(-0.5℃以下)の範囲に入っている状態で6か月以上持続した場合に、エルニーニョ/ラニーニャ現象の発生としている。エルニーニョ監視海域の海面水温の基準値はその年の前年までの30年間の各月の平均値。
(出典:図・文章ともに気象庁HP)・not edited.
エルニーニョ発生時の夏(6~8月)は
- 冷夏になりやすい(ただし近年は温暖化の影響で例外が増加)。
- 多雨傾向、梅雨が長引くこともある。
- 北日本・東日本で曇雨天が増え、日照不足になりやすい。
- 農作物(特にコメ)への影響が出やすい。
とされていますが、地球温暖化の影響で、「エルニーニョでも暑い夏」が増えており、2026年もそのパターンが予測されています。
⑵ MSJC pickup
① <海浜事故> ダイビング・ウインドサーフィン
・ドリフトダイビング中の事故
4月4日 午前11時ごろ、北海道稚内市・宗谷岬沖 弁天島付近の海域で、ドリフトダイビングによりトドウォッチング中にグループが一時的に行方不明となりましたが、稚内海保・道警・地元漁船が捜索し午後1時30分ごろに9人(ガイド2名と客7名)まとまって漂流しているところを発見・救助されました。
下図から推定すると、浮上位置から救助位置まではおよそ5㌖、09:30ダイビング開始、10:00浮上予定、救助完了13:30として、2時間30分の間漂流したことになります。この間のスピードは約1ノット、スキューバの全装備で“持続して泳ぎ切る”のは、ほとんどのダイバーにとって不可能に近い。
ドライスーツを着用していたとはいえ、海水温度約5℃前後で約3時間半の漂流は、限界に近かったのではないでしょうか?

報道発表などをもとに国土地理院地図上に著者が作図
ドリフトダイビングとは「スクーバダイビングの装備を着装して、海中の潮の流れに乗って移動するダイビング」 のことで、
- 潮の流れに任せて移動するため、海との一体感が味わえる。
- 大型回遊魚との遭遇率が高い。
- 海底地形の変化を目の当たりにできる。
- 海中で飛翔感覚が味わえる。
などの異次元体験が人気となっていますが、普通の「ファンダイビング」とは異質の危険が潜んでいます。
ドリフトダイビングの危険因子
1⃣ 潮流:海中の潮の流れに任せて移動するので最重要な危険因子です。
- 向下流(ダウンカレント):海中の絶壁(ドロップオフ)や小島、岬の先端などで発生する深場に向かう急潮流。
- 向上流(アップカレント):発生しやすい場所は向下流とほぼ同じですが、上方に向かう潮流で、乗ってしまうと急浮上(減圧症、肺の過膨張など)の危険性が増大します。
- 二枚潮:水深によって潮の流れる方向・速さが異なる状態。
- 横流れ・斜め流れ:潮流が複雑で方向が読めず、孤立する可能性がある。
- 潮流速度の急変:穏やかな流れが急激に早くなる。
最悪の場合には、これらが複合して発生する場合もあり得る。
2⃣ 地形を原因とする危険因子
- ドロップオフ:向下流(ダウンカレント)に吸い込まれる可能性がある。
- 岬・根の先端付近:潮流が急変、複雑化し易く、渦が発生することもある。
- 海峡部・狭水路: 同 上
- リーフ外縁部の深場など:流されると生還困難となる場合もある。ダイバー行方不明事故の典型パターン。
3⃣ 運用上の危険因子
- ガイド(インストラクター)との距離:隊列が伸びると“迷子”が発生しやすい。
- ダイビングボートからの監視不充分:ダイビング中はダイバーの呼気の泡(水面の気泡)を追いかけボートを移動することになるが、気象海象条件によっては見失う場合があるため、インストラクター以上に海域の特性を熟知した者(操船者=船長と見張り員2名)が必要です。
- エントリー位置の誤差:参加者が多く、潮流が速い場合などは要注意!
- 潮汐・潮流の読み:地元海域での経験が長く、気象・海象・潮汐・潮流を熟知したインストラクターと船長がベスト!
4⃣ ダイバー自身の危険要因
- 中性浮力が不安定。(BCDの取り扱い不慣れ)
- フィンキックが弱いか、あるいは姿勢が悪い。(特に女性)
- 空気の消費が多い。
- 水中でパニックを起こしやすい傾向がある。
- 経験・技能の不足。
- 協調性がない人。
5⃣ ヒューマンファクター
自己過信・ブリーフィングに対する理解不足・チームワーク不足・体調不良など。
今回の事故では幸いにも人的被害はなかったものの、「良かった、良かった」で終りではなく、『これを機会に安全対策を見直し、安全性を高め、万全な体制のもとに楽しんでほしい。
・ウィンドサーフィン中の事故
神奈川県三浦市の相模湾側三戸浜で、4月5日、ウィンドサーファーの死亡事故がありました。横浜市在住の60歳男性がウィンドサーフィン中に流され、約1km離れた海岸(横須賀市・和田長浜海岸)で心肺停止状態で発見され死亡が確認された由。
男性は13:00ごろから三戸浜海岸でウインドサーフィンを始めたが、約30分後に約250m沖合でセールとサーフボードが分離した状態となり、セールにつかまって漂流しているのが目撃され、その後、姿が見えなくなったとのことです。
当日の天気図と地図を掲載しますが、男性は沖合でボードとセールの連結部のトラブル?に遭い、自力で出発点に戻ろうと試みたが潮流に流されたものとみることができるのではないでしょうか?

(出展:気象庁HP・過去の天気図より4月5日正午の天気図)・not edited.

報道発表などをもとに国土地理院地図上に著者作図
海況や状況については情報が少なく正確には判りませんが、風速は12m/s前後だったとの情報があります。亡くなったサーファーは単独行動だったのか、グループで来ていたのか、さらに技量はどの程度のレベルだったのか?などなど、今後、この種の事故防止のための注意喚起として、ボードメーカーや販売店などは情報収集のうえ、差支えのない範囲で発表してほしいと思います。
➁ 北海道・三陸沖後発地震注意情報
4月20日16:53、青森県で震度5強を観測した地震〔規模:M7.4(USGS)/ M7.5(気象庁)、震源:岩手県宮古市の東北東 約100 km、震源の深さ:35 km(USGS)/10 km(気象庁)、メカニズム:プレート境界付近の逆断層型〕があり、最大約 80 cm の津波も観測されました。
北海道・三陸沖後発地震注意情報は、北海道〜三陸沖(日本海溝・千島海溝沿い)で Mw7.0 以上の地震が発生したときに、「巨大地震発生のリスクが一時的に上がったので、今後1週間は備えを強化してほしい」という国からの公式アラート情報です。

(出典:気象庁「北海道・三陸沖後発地震注意情報」についてより)・not edited.
- ISC‑GEM:世界中の地震データを統一基準で再計算し、 震源位置・深さ・マグニチュードを一貫した方法で再解析し、提供する基準カタログのこと。
- 時空間ETASモデル:地震の時系列と空間分布を統計的に説明し、余震や誘発地震の発生確率を推定するための代表的モデルのこと。
何をすべきなのか?
- 家具の固定・避難経路の再確認など、日頃の備えを徹底。
- 揺れを感じたら、または津波警報が出たら、すぐ避難できる態勢を整える。
- 就寝時はすぐ動ける服装、非常持出品の準備。
- 先発地震の被害が大きかった場合は、倒壊・土砂災害リスクにも注意。
心構え❢
- 「1週間以内に必ず起きる」という情報ではない。平時よりリスクが上がっている(百回に1回程度)から注意せよ!との注意喚起。
- デマ・不確実情報に注意する!
- 「備えの再確認期間」として捉える。

(出典:内閣府HP、北海道・三陸沖後発地震注意情報の解説ページより)・not edited.
広告
四方海話91 ーときの話題ー §47 おわり!
つぎは 四方海話92 ーときの話題ー §48 です。

コメント