ー ときの話題 ー §32
Ⅰ プラスチック・スマートキャンペーン⁈
Ⅱ オキナエビス貝
Ⅲ チョット気になるニュース
① ギャラクシーリーダーが爆撃された⁈
② 地対艦ミサイル部隊!
➂ 南海トラフ地震・半割れ⁇
④ 北極海の氷の面積が衛星観測史上最少となった\(◎o◎)/!
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Ⅰ プラスチック・スマートキャンペーン⁈
海洋プラスチック問題に関連して、2018年に始まったこのキャンペーン活動は環境省が主導の下で、今年度も実施されるようです。
このキャンペーンでは、ごみ拾いイベントへの参加やマイバッグの活用などの個人の行動・アイディアや、自治体・NGO・企業・研究機関などによる、ポイ捨て・不法投棄撲滅の運動やプラスチックの3R(リデュース、リユース、リサイクル)などの取組みを募り、その取組をキャンペーンサイトや各種イベントなどを通じて広く国内外に発信しています。
詳細は、キャンペーンサイトを一読してみて下さい。 http://plastics-smart.env.go.jp/
日本の海岸に漂着したゴミについての調査データの比較表(2021年・2022年)が目についたので参考のため掲載します。
海岸漂着ごみ組成調査(個数)ランキング


海岸漂着ごみ組成調査(重量)ランキング


また、廃プラスチック(発泡スチロールを含む)のみのランキングもありました。
漂着プラスチック調査(個数)ランキング(左の表は令和4年度、右は令和3年度)

漂着プラスチック調査(重量)ランキング(左の表は令和4年度、右は令和3年度)

(出典:環境省資料・令和4年度漂着ごみ組成調査データとプラスチック漂着量データ)・not edited.
海岸に漂着したプラゴミや漁網、流木などは回収に大きな手間と費用はかかるものの何とかなりますが、さらに大きな問題は、既に海洋に出て漂流しているプラゴミはどうしたらよいのでしょうか?こちらの方は海を生活の場としている動物に及ぼす影響がはるかに大きい!

(出典:環境省平成29年度漂着ごみ対策総合検討業務・資料)・not edited.
写真提供元:NOAA(アメリカ海洋大気局)
http://marinedebris.noaa.gov/multimedia/images/impacts
太平洋ゴミベルト
聞いたことがある名前ではありますが、具体的にどこにあるのかというと、プラゴミを含むゴミの集積海域は、*¹五大還流(オーシャンジャイヤ)の一つである北太平洋環流の内側にあるのだそうです。

(出典:環境省、平成29年度漂着ごみ対策総合検討業務・資料)・not edited.
*¹五大還流:下図参照

左下:インド洋環流 中央上:北太平洋環流 中央下:南太平洋環流 右上:北大西洋環流 右下:南大西洋環流
(出典:ウィキぺディア PD)・not edited.
この中でも、日本の東の北太平洋環流(北太平洋亜熱帯循環)は赤道から北緯50度の間に広がり、北太平洋の大部分を占め、面積は約3400万㎢、四つの優勢な海流(北太平洋海流、カリフォルニア海流、北赤道海流、黒潮)に囲まれています。プラゴミを含む漂流ゴミがこの環流内に蓄積されていることが知られていて「太平洋ゴミベルト」などという不名誉な名前が付けられています。

北太平洋環流の画像(出典:ウィキぺディア PD)・not edited.
日本の海岸に漂着したゴミについてはリモートセンシング技術を使って海岸毎にゴミの多少が判断できるらしいですが、広大な海洋となるといかがでしょう?
衛星を利用したリモートセンシング技術は「光学センサー」「赤外線センサー」「マイクロ波センサー」「AIによる解析とデータの統合」などによりかなりの高精度で漂流プラスチックゴミの集積位置が特定できるとされています。
とすれば、大型の「海洋プラスチックゴミ回収船?」による回収も現実的なものとなってきます。海洋国家日本としての「アドバンスド・大阪ブルーオーシャン・ビジョン」? も可能です⁈
1997年(平成9年)に発生した「ナホトカ号重油流出事故」を教訓として、日本政府は3隻の「油回収船」を建造しましたが、「海洋プラスチックゴミ回収船」への世界中からの期待はその比ではないと考えます!
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Ⅱ オキナエビス貝 (翁戎貝・翁恵比寿貝・長者貝)
あまり聴き慣れない綱目ですが、進化分類学上の「軟体動物門・腹足綱・古腹足目」に属する、たいへん古い系統の海洋性巻貝です。

リュウグウオキナエビス貝の画像
(出典:ウィキぺディア・クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 2.0 ジェネリック )、・not edited.
著者ライアン・ソンマさん
軟体動物門のうち腹足綱に分類されている動物はたいへん種類が多く、未分類のものを含めると10万種以上とも云われ、生活圏も多様で陸上、海洋、淡水など様々な環境の中で生息しています。カタツムリ、カワニナ、タニシ、アワビ、トコブシ、タカラガイなどのほか、ハダカカメガイ(クリオネ)、ウミウシ、アメフラシ、ナメクジなどは進化の過程で殻が退化してしまったのだとか!ちなみに「四方海話70」に掲載した「タコブネ」やマッコウクジラの餌になる「ダイオウイカ」も綱目は異なりますが軟体動物門の仲間です。
オキナエビス貝については、かつて化石としてのみ知られていたものが、1856年カリブ海で生きている貝が見つかったことで、現生種にも化石に見ることができる原始的な形質(例えば、殻にスリットがあることなど)を確認でき、進化の過程で形態がほとんど変化していない点が注目されています。
この貝は、カンブリア紀後期(約5億年前のカンブリア爆発)を起源として、白亜紀末のK-Pg境界(約6600万年前の大量絶滅期)を生き抜き、深海(100~3000m)の底生生物として現在まで種を繋いでいる「生きている化石」として知られ、世界中の海で約30種ほどが確認されています。大きさは最大種の「リュウグウオキナエビス貝」で殻高20㎝・殻径24㎝ほど、餌として海綿、ウミユリ、特定のサンゴなどを食べるが水族館などでは魚、貝も捕食するらしい。
日本近海に生息するオキナエビスガイ属
- ベニオキナエビスガイ:千葉県銚子以南、沖縄、東シナ海に分布、殻高10cm程度、切手の図柄になったこともある。
- オキナエビスガイ:銚子以南、相模湾、三重県沖、伊豆七島近海にかけて分布、殻高10cm程度、三浦の漁師「青木熊吉」が採捕したのはこの貝だそうで、別名「長者貝」(ちょうじゃがい)の語源になった!
- コシダカオキナエビスガイ:伊豆諸島から和歌山県沖、九州、東シナ海にかけ生息、殻高が殻径に対し相対的に高い。
- リュウグウオキナエビスガイ:現生する最大種、殻高20㎝、四国土佐湾から台湾近海、東シナ海、インドネシア周辺の水深100~400mに生息している。他の同種に比べ、スリットが長いのが特徴とされています。
- アケボノオキナエビスガイ:銚子沖の水深400~600mに生息、殻が薄く、スリットが浅い(短い)のが特徴。
2018年、沖縄県の「美ら海水族館」の「ROV」(遠隔操作式無人探査機)が沖縄本島本部半島沖で海洋生物調査中、水深150mの海底で採捕に成功したとされる「リュウグウオキナエビス貝」は、一時生体展示されていたようですが残念ながら死んでしまい現在は殻のみが公開されているそうです。殻だけでも一見の価値はありそうです!
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Ⅲ チョット気になるニュース
① ギャラクシーリーダーが爆撃された⁈
2023年11月、日本の船会社が傭船し、運航していた自動車専用運搬船「ギャラクシー・リーダー」がイエメンの親イラン反政府武装集団(フーシ派)に拿捕され、乗組員(フィリピン人17名、ウクライナ人3名、ブルガリア人2名、メキシコ人2名、ルーマニア人1名、計25名)が人質となった事件は、今年(2025年)1月に隣国オマーンの仲介により全員無事解放されたそうですが、船体はイエメンの首都サヌア西方、紅海沿いの湾内に残されたままになっています。フーシ派の系列テレビ局は3月17日、米軍の2回の空爆で軍の施設とともに「ギャラクシー・リーダー」も被害を受けた(損害程度は不明)旨の放送が確認されたとのことでした。フーシ派は戦利品として自国住民へのプロパガンダに利用する一方、同船に備え付けられた航海計器(AIS、レーダー、VHF無線装置など)は紅海を通航する船舶の監視に転用していたのでは?
② 地対艦ミサイル部隊!
古い話になりますが、1970年代(昭和50年代)、我が国の防衛のあり方について「日本列島ハリネズミ論またはハリネズミ防衛論」といわれるものがありました。
ハリネズミ(日本の固有種ではなく、ペットとして飼育されていたものが逃げ出したりして野生化し特定外来生物に指定されている)は普段は人畜無害でおとなしい動物らしいですが、外敵に襲われると体を丸くして「針」(体毛が針・棘のように変化したもの)を逆立てたうえ、大きな音を出して身を守るという。音はともかく、この動物の習性になぞらえ「日本の防衛についての考え方として、自衛のみに武器を使い、先制攻撃はしない」というものでした。

ハリネズミ亜科ナミハリネズミの画像(出典:ウィキぺディア)・not edited.
Creative Commons Attribution-Share Alike 2.0 Germany 帰属:イェルク・ヘンペルさん
島嶼防衛や局地戦での活用が期待されている従来型の「12式地対艦誘導弾」は射程距離200㎞程度だったものが、改良を加えた「12式地対艦誘導弾能力向上型」では射程は1000㎞ほどに伸ばしたと発表されていますが、将来はさらに延びる可能性があります。
2025年(令和7年)度予算で、本ミサイルの地発型(地上発射型)の発射装置等2セットと艦発型(艦上発射型)の取得費、また空発型(航空機発射型)を搭載するためのF-2(航空自衛隊の戦闘機)の能力向上改修(8機分)の費用が盛り込まれました。また、いままでは誘導弾の発射訓練を海外(アメリカ、オーストラリア)で行っていましたが、国内(北海道)での実施を検討している旨の報道もありました。これに対しロシア外務省は、モスクワの日本大使館に対し、「北海道はロシアに近く、挑発的だ」として抗議を申し越しているそうです。
➂ 南海トラフ地震・半割れ⁇
地震学は、地震の発生メカニズムや発生に伴う事象・現象(地震波を含む)を研究、解明する学問分野ですが、地震を評価する際に「割れ残り」「滑り残り」「一部割れ」「半割れ」など用語が用いられているのだそうです。以下、それぞれの説明です。
割れ残り
過去に発生した地震で震源域の一部が破壊されずに残ってしまった領域を指し、将来に再び破壊される可能性があります。プレートの境界域や活断層の一部に歪みが残され、大地震の震源となることもあり得る。
滑り残り
地震発生時に断層全体が滑らず、一部がそのまま残ってしまう現象。断層面上で蓄積エネルギーが解放されない領域が残り、次の地震の引き金となることがある。
一部割れ
想定震源域の一部だけが破壊される現象で、破壊される範囲も限定されるため被害も小規模となることもありますが、想定震源域全体のエネルギーの開放が不十分で、将来に不安が残ることになります。
半割れ
想定震源域のおおよそ半分程度が破壊され、時間差で残り半分で大地震が発生する現象です。南海トラフ地震で懸念されています。模式図などでは震源域が東西に分かれ、時間差で大地震が再び襲ってくるとして被害の拡大が心配です。
南海トラフ地震に関連し「前震」「本震」「余震」「大地震」「巨大地震」「超巨大地震」などの用語が用いられていますが、必ずしも学術的に定義されていない用語も混在して使われているようです。
予知から予測へ
今までの「地震予知」の定義は、科学的な方法により地震の「発生時期」「発生場所」「規模」の三つの要素を予め示す「決定論的な地震予知」とされていたところ、2009年1月~4月に発生したイタリア中部地震(ラクイラ地震)に関連して、「地震予知情報」のあり方について裁判にまで発展した事例があったことから、「国際地震学及び地球内部物理学協会:IASPEI」の部会として「市民保護のための国際地震予測に関する検討委員会:CCEP」が開かれ、その勧告の中で従来「地震予知」と呼び習わされていたものは「決定論的予知」(警報につながる確度の高いもの)と「確率論的予測」(確率で表現され日常的に公表可能なもの)の二つの種類に区分できることが示されました。
日本地震学会は、2011年(平成23年)3月11日の「東北地方太平洋沖地震」の予見ができなかったことへの反省から、2021年に用語の見直しを決定し、「決定論的予知」を「地震予知」、「決定論的予知」と「確率論的予測」の総称を「地震予測」と定義しました。
前出のCCEPの勧告では、「決定論的予知」は現在の科学的知見では非常に困難であるとする一方、「確率論的予測」は地震のリスクを示す手段として社会に対して有用であることが示されています。
なお、「緊急地震速報」(EEW)は地震が既に発生した後、初期震動(P波)を検知して、主要な震動(S波)が到達する前に警告を出すシステムで、これは地震の「予知」ではなく、地震の揺れが来ることを瞬時に知らせるためのものです。
④ 北極海の氷の面積が衛星観測史上最少となった\(◎o◎)/!
4月18日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)と国立極地研究所は、「北極の冬季海氷域面積(年間最大面積)が衛星観測史上最も小さくなった」として連名でプレスリリースがありました。

気象庁発表の4月のオホーツク海の流氷(海氷)状況とこの冬の海氷面積の経過図も見てみましょう。

赤線は平年(1991~2020年の平均)の海氷縁

オホーツク海の海氷域面積の経過図
(出典:気象庁HP・海洋の健康診断表・海氷に関する診断表より)・not edited.
気象庁から、11月~7月の間「オホーツク海の海氷分布図」がほぼ5日おきに発表されています。
オホーツク海の流氷(海氷)の状況観察を通して、北極域(北極海)の海氷の状況は「推して知るべし」と言うか、「然もありなん」というところでしょうか⁉
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四方海話74 ー ときの話題 ー §32 おわり
次回は 四方海話75 ー ときの話題 ー §33 です。

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