ー ときの話題 ー §20
海 鳥
1 アホウドリ 2 オオミズナギドリ 3 カツオドリ 4 ウミウ
5 ウミガラス 6 ウミスズメ 7 アジサシ 8 アカオネッタイチョウ
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海 鳥
海鳥と呼ばれる種類の鳥は、実は生物学的に明確な定義があるわけではなく、単に便宜上の言い方に過ぎないのだそうです。曰く「海洋に生息する鳥の総称」。以下、日本の近海で見ることができる代表的な海鳥を見ていくことにします。
1 アホウドリ(信天翁、安房鳥、阿呆鳥、アルバトロス)
《ミズナギドリ目アホウドリ科キタアホウドリ属》
【特別天然記念物】
IUCN・RL:【絶滅危惧Ⅱ類 VU】 環境省・RL:【絶滅危惧Ⅱ類 VU】
ICUN:国際自然保護連合 RL:レッドリスト (以下同じ)

アホウドリ親子の画像 クリエイティブ・コモンズ 表示 2.5 一般(出典:ウィキペデア)、not edited.
帰属: Jlfutari at 英語版ウィキペディア 北太平洋

洋上を飛ぶアホウドリの画像(出典:ウィキぺディア)
Captain Budd Christman (NOAA Corps) – http://www.photolib.noaa.gov/animals/anim0409.htm・not edited.
洋上を飛ぶ「アホウドリ」の写真は、1977年8月、*¹NOAAの職員によりアラスカ湾で撮影されたものだそうですが、悠々と飛ぶ姿(本人にとっては、餌探しに必死なのかも知れませんが?)を見ると「言葉では表現できないほどの雄大な自然」を思い描くのは私だけでしょうか?
*¹NOAA:アメリカ海洋大気庁、アメリカ合衆国商務省に属する機関で、「自然災害から人命・財産を保護すること」「環境に対する理解を深めること」「海洋資源の有効利用に向けた探査・開発を推進すること」等を目的として当時のニクソン大統領の提案により、1970年に設立された。
Ο 生息域 北太平洋
夏季・ベーリング海、アラスカ湾、アリューシャン列島など
冬季・尖閣列島(北小島、南小島)、小笠原諸島(鳥島、小笠原諸島、)、ミッドウェー環礁など
ただし、尖閣諸島の種と小笠原諸島の種は別種であるとの研究結果があります。
Ο 大きさ
全長(頭から尻尾まで)約1㍍、翼開長(翼を開いた時の長さ)約2.4㍍、体重約5.3㌕、飛行できる鳥類の中では最大級です!
Ο 餌 魚類、甲殻類、軟体動物、動物の死骸など
Ο 生態
- 大型種であるため、離陸の際に風を利用しやすく、海面からある程度の高さがある無人島の斜面などに集団繁殖地(コロニー)を作って繁殖する。
- クラッタリング・・特徴的な求愛行動(上を向いて、嘴を打ち鳴らす)
- ダイナミック・ソアリング・・海上の波(うねり)と風(気流)を利用して滑空し、体力の消耗を最小限にする省エネ飛行術を身につけ、必要以上に羽ばたくことなく長距離飛行が可能なのだそうです。
- 「アホウドリ」の名前の由来は、人が近づいてもあまり警戒せず、動作が緩慢で捕まえやすいからで、このため一部地方では「バカドリ」(馬鹿鳥)などの蔑称で呼ばれるているところもある。その他「オキノタユウ・沖の太夫」「オキノジョウ・沖の尉」「ライノトリ」「トウクロウ・藤九郎」などの地方名があります。
Ο 近縁種
- コアホウドリ 【特別天然記念物】 IUCN・RL:【近危急種NT】 環境省・RL:【絶滅危惧ⅠB類EN】
- クロアシアホウドリ IUCN・RL:【近危急種NT】 環境省・RL:評価なし。
Ο 悲しい歴史
アホウドリの一大繁殖地である伊豆諸島の鳥島(無人島・火山島・天然記念物)では、1887年(明治20年)から1933年(昭和8年)までの間(46年間)に主に羽毛の採取を目的とした乱獲(推定1,000万羽)と1939年(昭和14年)の火山噴火により絶滅したものとされていたもののごく少数は生き延び、2006年(平成18年)から繁殖地を噴火の危険がある鳥島から聟島(むこじま)に移す計画が進められているところですが、2022年(令和4年)の調査ではには聟島生まれの個体が繁殖して、孫世代が誕生しているとのことです。
一方、尖閣諸島の南小島や北小島でも同様に乱獲され、1963年(昭和38年)の調査ではアホウドリの発見に至らず絶滅したものと考えられていたが、1971年(昭和46年)の琉球大学の調査により71年ぶりに再発見され、2020年(令和2年)11月に撮影された南小島の衛星画像の分析の結果、110~140組の番(つがい)を数えることができたそうですから、個体数は確実に増えているようです。
Ο 船乗り達が生きる延びる糧
江戸時代に海運を担っていた「弁財船」(べざいせん)が時化にあって遭難し、「鳥島」に漂着した事例は、作家「吉村昭」(よしむらあきら:1927年~2006年)によれば15例以上あるとされ、長短はあるもののいずれの船乗り達も「アホウドリ」を食料にして生き延びています。その中には有名な「ジョン万次郎」も含まれます。
「参考」
- 「ジョン万次郎漂流記」 井伏鱒二 1937年(昭和12年)
- 「孤島」 新田次郎 1955年(昭和30年)
- 「漂流」 吉村昭 1976年(昭和51年)
2 オオミズナギドリ(大水薙鳥、大水凪鳥)
《ミズナギドリ目ミズナギドリ科オオミズナギドリ属》
IUCN・RL:【近危急種NT】 環境省・RL:【近危急種NT】

オオミズナギドリの画像 クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0 非移植 ・not edited
(出典:ウィキぺディア)kanachoroさんの作品
Ο 生息域 西太平洋北部の温帯域
夏季、渡島大島から八重山諸島にかけての離島で主に繁殖し、冬はフィリピンやオーストラリア大陸北部の海岸に南下し越冬する。南下する個体の一部はマラッカ海峡を通って、スリランカ周辺の海域にまで渡るものもあるとかで移動範囲は広い。
Ο 大きさ 全長約50㌢、翼開長約120㌢、体重約550㌘
Ο 餌 魚類(アジ、サバ、イワシ)、軟体動物(イカ)など
Ο 生態
- 森の中の地面に巣穴(横穴、深さ1㍍ほど)を掘って奥を広げ、雄雌交代で抱卵、営巣する。
- 離着陸が下手で、条件が良ければ(強めの向かい風など)地面から直接離陸できるが、それ以外はいったん木に登り、高さを稼いでから飛び立つ。着陸時も巣の近くで広葉樹の葉が茂った森に「制御された墜落」を試み、着地後は巣まで歩いて帰る。
- 秋になり、雛が充分に成長すると親鳥(番)は雛を置いて南方へ旅立って行く。
- 海上での食餌行動は貪欲で、空中から海中にハイスピードダイビングしたり、5㍍程度潜水して魚を捕らえるほか、トビウオが飛行中、背後から空中で捕まえることもあるらしい。
- アホウドリと同様、省エネ飛行術(ダイナミック・ソアリング)を身に付けている。
- 2月下旬~3月上旬に飛来、6月中旬頃産卵(1個)、8月中旬頃孵化、11月上旬に営巣地を離れる。
Ο 近縁種
- アカアシミズナギドリ ICUN・RL:【低危険種LC】、環境省・RL:該当なし
- シロハラミズナギドリ ICUN・RL:【低危険種LC】、環境省・RL:【絶滅危惧Ⅱ類VU】
- ハシブトミズナギドリ ICUN・RL、環境省RLともに該当なし
- ハシボソミズナギドリ ICUN・RL:【低危険種LC】、環境省RL:該当なし
- ハイイロミズナギドリ ICUN・RL:【低危険種LC】、環境省RL:評価なし
Ο 分類
ミズナギドリ目の鳥は地球上の至る所に分布するうえ行動範囲が広く、更に同種間においても体色の変異が多いため、国際鳥類学会議(IOC)においても分類は混乱しているようです。現生種は現在14族86種とのことですが、アホウドリもこの目に含まれています。
Ο 繁殖地
京都府の日本海側、舞鶴湾の冠島(かんむりじま:無人島・天然記念物)が日本最大の繁殖地になっています。京都府はオオミズナギドリを「府の鳥」としている一方、冠島と隣の沓島(くつじま)を鳥獣保護区に指定し立ち入りを制限しています。
3 カツオドリ
《カツオドリ目カツオドリ科カツオドリ属》
ICUN・RL:【低危険種LC】 環境省・RL:【絶滅危惧Ⅰ類CR+EN】

カツオドリの画像 クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0 非移植 ・not edited
アビセダさんの著作(出典:ウィキぺディア)
Ο 生息域 熱帯・亜熱帯域
渡り鳥ではなく、インド洋、南大西洋、太平洋、カリブ海などに生息し、分布範囲は広い。
Ο 名前の由来
大型魚類(マグロ、カツオなど)が、餌として小魚(イワシ、アジ、サバ、トビウオ)などの群を追いかけると小魚群は表層に集まり海面が沸き立つことがある。「カツオドリ」は、その状況を高い視力とスピードを生かして遠方から見つけては殺到し、空中から餌取ダイブを繰り返します。これを「トリヤマ」と呼んで、漁業者(漁船)も大型漁類の漁獲を上げるためにこれの発見を目指すことになります。トリヤマを形成するのは「カツオドリ」だけではなく他の海鳥達も同様ですが、「カツオドリ」は体がおおきく目立つのでこの名がついたものと思われます。
Ο 大きさ 全長約75㌢、翼開長約150㌢、体重約1㌕
Ο 餌 魚類(アジ、サバ、イワシ、トビウオ)、軟体動物(イカ)など
Ο 生態
- 断崖や草地に集団繫殖地(コロニー)を作り、枯草や木の枝で皿の形をした巣を作る。
- 繁殖地で、自分の巣に他の鳥が近づくと首を振って威嚇し、縄張り主張する。
- 4月~5月に1~2個の卵を産み、雄雌交代で抱卵、約1.5か月で孵化し、先に孵化した雛は他の雛をつついて殺してしまい、1羽しか育たないことが多いとか。巣立ちまでは3ヵ月前後。
- アホウドリと同様、省エネ飛行術(ダイナミック・ソアリング)を身に付けている。
Ο 分類
日本の近海に生息するカツオドリ科の種は3種
- アカアシカツオドリ 【天然記念物】 ICUN・RL:【低危険種LC】 環境省・RL:【絶滅危惧ⅠB類EN】
- アオツラカツオドリ ICUN・RL:【低危険種LC】 環境省・RL:【絶滅危惧Ⅱ類VU】

アカアシカツオドリの親子(出典:ウィキぺディア)
Gsh1967 さん撮影(於オーストラリア・サンゴ海)・not edited
Ο 繁殖地
日本では八重山列島、伊豆諸島、小笠原諸島、鹿児島県草垣群島、尖閣諸島などで繁殖しています。瀬戸内海での観察記録もあるとか。
4 ウミウ(海鵜)
《カツオドリ目ウ科ウ属》
ICUN・RL:【低危険種LC】 環境省・RL:【絶滅危惧Ⅰ類CR+EN】

海鵜の画像(出典:ウィキぺディア)クリエイティブ・コモンズ 表示 3.0 非移植・not edited
帰属: あおもりくま at 日本語版ウィキペディア
Ο 生息域
日本の沿岸(太平洋側)では先島諸島から北海道まで広い範囲で繁殖が確認されている。ほとんど「渡り」をしない。1970年代に一時3,000羽以下にまで生息数が減少したものの、1990年代以降飛躍的に増加、現在は15万羽以上に増えているそうです。
日本のほか、ロシア南東部、北朝鮮、韓国、中国にも繁殖地がある。
Ο 大きさ 全長約92㌢、翼開長約152㌢、体重約3㌕
Ο 餌 魚類(アジ、サバ、イワシ)
Ο 生態
- 海岸地帯の断崖などに枯草や海藻類を使って皿状の巣を作る。
- 5~7月に4~5個の卵を産む。
- 雌雄交代で抱卵し、約4週間程度で孵化する。
- 孵化後約2ヵ月で巣立ちする。
- 潜水(1分以上、10㍍未満)して魚を捕らえる。
Ο 近縁種
- カワウ ICUN・RL:【低危険種LC】 環境省・RL:【絶滅危惧Ⅰ類CR+EN】
- ヒメウ ICUN・RL:【低危険種LC】 環境省・RL:【絶滅危惧ⅠB類EN】
- チシマウミガラス ICUNRL:【低危険種LC】 環境省RL:【絶滅危惧ⅠA類 CR】

チシマウミガラスの画像(出典:ウィキぺディア)
Ο 鵜飼い鵜
岐阜県長良川で行われる古式漁法「鵜飼い」には海鵜が登場します。約1,300年の歴史があるとして長良川の鵜飼漁法は「岐阜県の重要無形民俗文化財」の指定を受けているそうですが、こちらで使われる「鵜」は、茨城県日立市の岩礁海岸「鵜の岬」で捕獲された「海鵜」が使われている。「鵜の岬」は国内で唯一「海鵜」の捕獲が公認されているのだそうです。
5 ウミガラス
《チドリ目ウミスズメ科ウミガラス属》
IUCN・RL:【低危険種LC】 環境省・RL:【絶滅危惧ⅠA類CR】

ウミガラスの画像(出典:ウィキぺディア)・not edited
NOAAフォトライブラリ・http://www.photolib.noaa.gov/aboutimages.html
Ο 生息域
北太平洋、北大西洋、北極海など広域に分布している。かつては北海道日本海側の天売島、松前小島、根室半島落石沖のユルリ島,モユルリ島で繁殖し、冬季は青森県など本州北部まで南下していたが、繁殖数が激減している。鳴き声から「オロロン鳥」と呼ばれ、国内の繁殖地では、繁殖に利用してきた断崖にデコイや鳴き声を放送で流す音声装置を設置し、繁殖個体群の回復を試みているが失敗に終わっている。原因として、漁網による混獲、ハシブトガラスやオオセグロカモメによる卵や雛の捕食、海洋プラスチックの誤食、温暖化により餌となる魚類の減少も考えられる。
Ο 大きさ 全長約45㌢、翼開長約75㌢、体重約1.2㌕
Ο 餌
- 魚類(イワシ、ニシン、シシャモ、イカナゴ、カジカ、ギンポ)など
- 頭足類(イカ)
Ο 生態
- 潜水し、水中で翼を使って素早く泳ぎ、餌を捕まえることができる。
- 潜水深度は50㍍以上、時間は約3分間程度。
- 翼が短いため、省エネ飛行(ダイナミック・ソアリング)はできず、高速で羽ばたきながら海面近くを低空飛行する。
- 雛に給餌する獲物は、飲み込まずに喉に留めて繁殖地まで飛行する。
- 繁殖期には無人島など陸生捕食動物が近づけない断崖などに、生活密度が高い(約20羽/㎡)コロニーを形成する。
- 巣を作る習慣がなく、岩や土の上に「西洋梨」の形をした卵(転がってもその場で円を描くように転がり崖から落ちにくい)を直接産み、雌雄交代して抱卵、33日間で雛が誕生して、生後約20日間程度繁殖地に留まる。雛は親鳥の半分ほどに成長すると、まだ飛べないくせに繁殖地を脱出し巣立ちする。その後2ヵ月ほど海上で親鳥の世話、給餌を受けるとともに餌取訓練をする。
Ο 近縁種
- ハシブトウミガラス ICUN・RL:【低危険種LC】 環境省・RL:【絶滅危惧ⅠA類CR】
- エトピリカ ICUN・RL:【低危険種LC】 環境省・RL:【絶滅危惧ⅠA類CR】
- ウミスツバメ ICUN・RL:【低危険種LC】 環境省・RL:【準絶滅危惧NT 近危急種】
6 ウミスズメ
《チドリ目ウミスズメ科ウミスズメ属》
IUCN・RL:【低危険種LC】 環境省・RL:【絶滅危惧ⅠA類CR】

ウミスズメ(夏季)の画像 (出典:ウィキぺディア)
Ο 生息域
ユーラシア大陸の東岸、アリューシャン列島、千島列島、北アメリカ大陸北西部にかけての島嶼部で繁殖する。日本では北海道日本海側の天売島(鳥獣保護区)、岩手県釜石沖の三貫島、山形県酒田沖の飛島でも少数が繁殖しているらしい。冬季も繁殖地周辺で生活するが、南下する個体もあり、九州や南西諸島でも視認されているそうです。
Ο 大きさ 全長約25㌢、翼長約14㌢、体長約25㌢
Ο 餌 小型魚類 甲殻類
Ο 生態
- 繁殖期以外は10羽ほどで集団行動し、沖合で海上に浮かんで生活する。
- 潜水(最大深度40㍍程度)して餌を捕食する。
- 繁殖地では夜行性で、木の根元、倒木や切り株の下、岩の隙間などに巣を作る。
- 3月末~6月末の間、1週間程度の間をあけ1~2個の卵を産む。
- 雌雄交代で抱卵し、約一月で孵化する。孵化後2~3で海上に出て、海上で親から餌を貰う。
- 漁業者が仕掛ける定置網や刺し網に引っかかり、脱出できずに窒息死するケースが多い。
- 1996年(平成9年)1月に発生したロシア籍タンカー「ナホトカ号重油流出事故」時に漂着、確認された海鳥の死骸1,311体中、約3分の1がウミスズメだったと云われています。
Ο 近縁種
- ヒメウミスズメ IUCN・RL:【低危険種LC】 環境省・RL:該当なし
- マダラウミスズメ IUCN・RL:【近危急種NT】 環境省RL:【情報不足DD】
- カンムリウミスズメ IUCN・RL:【絶滅危惧VU】 環境省RL:【絶滅危惧Ⅱ類VU】【天然記念物】
- ウトウ IUCN・RL:【低危険種LC】 環境省・RL:該当なし
- ケイマフリ IUCN・RL:【絶滅危惧VU】 環境省・RL:【絶滅危惧Ⅱ類VU】


左:ウトウ 右:ケイマフリ (出典:ウィキぺディア)
7 アジサシ(鯵刺)
《チドリ目カモメ科・アジサシ亜科アジサシ属》
IUCN・RL:【軽度懸念LC】 環境省・RL:【絶滅危惧Ⅱ類VU】

幼鳥に与える、餌の魚を咥えて飛行するアジサシの画像(出典:ウィキぺディア)
Badjobyさんの作品・クリエイティブ・コモンズ 表示-継承 3.0 非移植・not edited
Ο 生息域
ユーラシア大陸の中部以北、北アメリカ大陸中部、東部など広範な地域で繁殖し、冬季はアフリカ、オーストラリア、南アメリカなどの熱帯地方から南方の沿岸部で越冬する。日本列島では渡りの途上、春、秋に全国各地で見ることができますが、なかには日本列島で繁殖する種もあり、富山県、群馬県、東京都で確認されています。
Ο 大きさ 全長約35㌢ほどで、ハト(鳩)と同じぐらい。
Ο 餌
主に海の小魚ですが、鞘翅目(しょうしもく:カナブンなど)や双翅目(そうしょうもく:ハエなど)、蜻蛉目(せいれいもく:トンボ)などの昆虫もときどき食べるらしい。
Ο 生態
- 日本には春(北方の繁殖地に向け)と秋(南方の避寒地向け)の渡り途上、海岸や無人島などに中継地として群来する。海に近い淡水域(河口部、湖畔など)の砂浜でも見ることができる。
- 魚を捕らえるときは、空中でホバリング(空中停止)したうえ狙いを定め、急降下して仕留める。
- 営巣地では浅い窪みを作り枯草を敷いて巣を作り、2~3個の卵を産んで雌雄交代で抱卵し、3週間ほどで孵化する。著者は孵化後のヒヨコが歩き出したころに海浜で遭遇し、ヒヨコを捕まえるつもりは全くありませんでしたが、番(つがい)からスクランブルを受けたことがあります。頭上3㍍程度で大きな鳴き声で警告・抗議を受けたため、早々に退散した覚えがあります。(種類は不明ですがたぶんコアジサシ?)
Ο 近縁種
アジサシ属の近縁種はたいへん多く、日本に来ない種も含めると12属45種(国際鳥類学会議のデータ)にもなるそうですが、そこで日本で繁殖実績が確認されているアジサシ属に絞ることとします。
- コアジサシ IUCN・RL:【軽度懸念LC】 環境省・RL:【絶滅危惧Ⅱ類VU】
- ベニアジサシ IUCN・RL:【軽度懸念LC】 環境省・RL:【絶滅危惧Ⅱ類VU】
- オオアジサシ IUCN・RL:【軽度懸念LC】 環境省・RL:【絶滅危惧Ⅱ類VU】
8 アカオネッタイチョウ(赤尾熱帯鳥)
《ネッタイチョウ目ネッタイチョウ科ネッタイチョウ属》
IUCN・RL:【低危険種LC】 環境省・RL:【絶滅危惧ⅠB類EN】

アカオネッタイチョウの画像(出典:ウィキぺディア)
サビーヌのサンバードさんの作品・not edited
Ο 生息域
インド洋、太平洋の熱帯海洋域、日本では北硫黄島、西之島、南鳥島、南硫黄島で繁殖が確認されているそうです。小笠原諸島や南西諸島の無人島、本州の沿岸でも視認されたことがある。特にハワイ諸島でも多数生息し、少数ながら営巣も確認されている。
Ο 大きさ 全長約105㌢(尾の長さを含む)、翼長約112㌢、体長約46㌢
Ο 餌 小型魚類(トビウオ、イワシなど) 頭足類(イカ) 海洋表層のプランクトン
Ο 生態
- 海上を餌を探しながら飛行、見つけるとホバリングして狙いを定め、急降下して海中に飛び込み、潜水して捕食する。
- 巣は作らず、砂や土の上に産卵する。
- 親鳥は雛に消化途中の餌を吐き戻して与える。
- 一夫一妻制を堅持して、産卵場所を変更することもない。コロニーを形成する。
- 5月~7月に1個の卵を産み、雌雄交代で4週間ほど抱卵、雛の巣立ちまでには約3ヵ月程度を要するのだそうです。
- 繁殖期を除いてほとんど上陸せず、海面で休息する。
- 尾が長く短足なので、陸上での行動が不得意。
Ο 近縁種
- アカハシネッタイチョウ IUCN・RL:【低懸念種LC】 環境省・RL:評価なし
- シラオネッタイチョウ IUCN・RL:【低懸念種LC】 環境省・RL:評価なし

シラオネッタイチョウの画像(出典:ウィキぺディア)
ダノグさんの作品・not edited
・国際自然保護連合(IUCN)レッドリスト分類・
- 絶滅(EX:Extinct)
- 野生絶滅(EW:Extinct in the Wild)
- 深刻な危機(CR:Critically Endangered)
- 危機(EN:Endangered)
- 危急(VU:Vulnerable)
- 準絶滅危惧(NT:Near Threatened)
- 低懸念(LC:Least Concern)
- データ不足(DD:Date Deficient)
- 未評価(NE:Not Evaluated)
・環境省レッドリスト分類・

出典:環境省資料
気候変動・海洋汚染と海鳥
気候変動と海洋汚染の最大の被害者は海鳥と云っていいと思う。ただでさえ厳しい自然環境のなかで海を頼りに生き抜いてきた、罪なく何の抵抗もしない彼らを、人間共は襲い掛かって殺戮し・羽根を抜き・食べ・やりたい放題に虐め抜いてきた。そればかりか今、プラスチックを海洋に撒き散らしてさらに追い打ちをかけている。海洋は既に「プラスチックスープ」と化している状態なのです。
気候変動により、海鳥の生息地である海洋の環境が大きく変わりつつある。海水温度の上昇や海流の変化は、餌となる魚類やプランクトンの分布や生息数に影響を及ぼし、食物連鎖全体が変動する。海鳥の生活の基盤となる食物がこれまでどおりに得られなくなる恐れがある。
海洋プラスチック問題は、海鳥にとってさらに大きな脅威となっている。親鳥が幼鳥に与える餌にプラスチックが混ざり、消化できずに死んでしまった幼鳥の解剖写真を見ましたが、プラスチック製のフォーク、使い捨てライター、ペットボトルのキャップなどが詰まっていて、ブログに掲載するのが躊躇されるレベルでした。幼鳥だけでなく親鳥も餌と誤認して飲み込み、消化器系が詰まったり、栄養摂取ができなくなり死に至るのは目に見えています。
これらの問題は、海鳥のみならず海洋生態系全体に影響しています。私たち人間が「今すぐに、地球環境を守る行動を起こすことで、多くの生物の生存を守ることができる。」と信じます!
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四方海話63 ー ときの話題 ー §20 「おわり」
次回は 四方海話64 ー ときの話題 ー §21 です。

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