ー ときの話題 ー その1
・・・ デカッ! ・・・
・・ 太古の巨大クジラ ・・
現存する海洋哺乳類で最大とされている、シロナガスクジラ(絶滅危惧種:最大長さ29.9㍍、最大体重199㌧)を超えると思われる重量の古代クジラ(約3900万年前:新生代古第三紀始新世)の骨格の化石が南米のペルーで発見されたそうです。
発見された「ペルケトゥス・クロッスス」(推定長さ17~20㍍)という名前の古代クジラの骨の量から全身の骨格量を推定するとシロナガスクジラの倍以上、全体重となると85~340㌧にもなるそうで、史上最大の動物となることは間違いなさそうです。体形は「ジュゴン」や「マナティー」、「ウナギ」や「ハモ」を太らせて、超巨大化したようなイメージでしょうか?
発見された骨が、脊椎の骨が13コ、肋骨4本とその他1本とのことで、頭蓋骨が未発見のため、いったい何を主食としていたのかがはっきりしていません。比較的浅い海に生活していたらしいとのことですが、巨体を維持できるほどの十分な餌が何だったのか?巨体ゆえに泳ぐスピードも遅く、魚類を追いかけることは難しいので、水底生物や他の哺乳類の死骸を食べていた可能性が指摘されています。さらに発掘が進んで、頭蓋骨を含む全身の化石が発見されるのが楽しみです。
・・ 巨大コンテナ船 ・・
「ジャパン マリン ユナイテッド」(JMU:本社、神奈川県横浜市)が呉事業所(広島県呉市:旧呉海軍工廠)で建造していた24,000TEU型コンテナ専用船「ONE INNOVATIONN」(ワン・イノベーション)のオーナーへの引渡しが行われたとの報道がありました。
主なスペック
- 主要寸法 全長399.95㍍、幅61.40㍍、深さ33.20㍍、喫水16.5㍍、
- 総トン数 235,311㌧
- 載荷量 24,000TEU
- 主機 MITUI-MAN-B&W ディーゼル機関1基
- 定員 34名
- 船籍 リベリア
第十四話(四方海話 34)で日本の造船界の苦境についてお伝えしていますが、「ONE INOVATION」は6隻のシリーズの第1船とのことで「今治造船」(愛媛県今治市)と「ジャパン マリン ユナイテッド」の協業体制で、今後連続して建造が計画されているとのこと、その他、「三菱造船」(横浜市西区)と「名村造船」(大阪市西区)の技術提携や、「三井E&S造船」(東京都中央区)と「常石造船」(広島県福山市)の資本提携など、明るいニュースも増えてきています。

日本造船界の再編の動き(出典:国交省資料)
・・ 気候変動 ・・
・ 海洋酸性化 ・
NHKの番組、NHKスペシャルやコズミックフロントで海洋酸性化についての放送がありました。大気中の二酸化炭素濃度の上昇が原因とされています。
大意、大気中のCO2の濃度が上昇して表層の海水と混ざり、海水が酸性化して海の生態系に悪影響を及ぼす(小さな貝の薄い殻などが酸に侵され穴が開く等)の事例が発生している。
下表は、ハワイ島マウナロア火山で観測された二酸化炭素の大気中濃度変化(縦軸はPPM、横軸は西暦を示す)で、ギザギザしているのは、夏と冬とでは植物により吸収される二酸化炭素量が異なるためだと 説明されています。(植物が枯れる冬は、夏に比べて吸収量が低下する。)

大気中の二酸化炭素量経年変化(出典:ウィキぺディア)
こちらは、日本付近の二酸化炭素濃度の経年変化を示しています。その年の平均値をプロットしていますので、ギザギザはありません。

日本付近の二酸化炭素濃度上昇状況(出典:気象庁資料)
・ IPCC ・
IPCC:世界気象機関(WMO)及び国連環境計画(UNEP)により、1988年に設立された気候変動に関する政府間パネル(195の国と地域が参加し、国際的に著名な専門家、研究者で構成する。地球温暖化についての科学的研究論文の収集と整理のための学術的機関)
IPCC 第6次評価報告書(AR6)の統合報告書(SYR)主なメッセージ
現状と傾向
- 人間活動が主に温室効果ガスの排出を通して地球温暖化を引き起こしてきたことは疑う余地がなく、1850~1900年を基準とした世界平均気温は2011~2020年に1.1℃の温暖化に達した。
- 大気、海洋、雪氷圏、及び生物圏に広範かつ急速な変化が起こっている。人為的な気候変動は、既に世界中の全ての地域において多くの気象と気候の極端現象に影響を及ぼしている。このことは、自然と人々に対し広範な悪影響、及び関連する損失と損害をもたらしている。
- 2021年10月までに発表された「国が決定する貢献(NDCs)」によって示唆される2030年の世界全体のGHG排出量では、温暖化が21世紀の間に1.5℃を超える可能性が高く、温暖化を2℃より低く抑えることが更に困難になる可能性が高い。
長期的・短期的応答
- 継続的な温室効果ガスの排出は更なる地球温暖化をもたらし、考慮されたシナリオ及びモデル化された経路において最良推定値が2040年(多くのシナリオ及び経路では2030年代前半)までに1.5℃に到達する。
- 将来変化の一部は不可避かつ/又は不可逆的だが、世界全体の温室効果ガスの大幅で急速かつ持続的な排出削減によって抑制しうる。
- 温暖化を1.5℃又は2℃に抑制しうるかは、主にCO2排出正味ゼロを達成する時期までの累積炭素排出量と、この10年の温室効果ガスの排出削減の水準によって決まる。
- 全ての人々にとって住みやすく持続可能な将来を確保するための機会の窓が急速に閉じている。この10年間に行う選択や実施する対策は、現在から数千年先まで影響を持つ。
- 気候目標が達成されるためには、適応及び緩和の資金はともに何倍にも増加させる必要があるだろう。
緩和の経路
- 温暖化を1.5℃又は2℃に抑えるには、この10年間に全ての部門において急速かつ大幅で、ほとんどの場合即時の温室効果ガスの排出削減が必要であると予測される。世界の温室効果ガス排出量は、2020年から遅くとも2025年までにピークを迎え、世界全体でCO2排出正味ゼロは、1.5℃に抑える場合は2050年初頭、2℃に抑える場合は2070年初頭に達成される。
緩和・適応オプション
- 実現可能で、効果的かつ低コストの緩和と適応のオプションは既に利用可能だが、システム及び地域にわたって差異がある。
- コストが20米ドル/トン-CO2以下の太陽光、風力、エネルギー効率改善、石炭、石油、ガスに起因するメタン削減が排出削減に大きく貢献できる。
以上、出典は環境省 地球環境局資料・2023年4月 (原文のまま)
と指摘されています。グテーレス国連事務総長曰く「地球沸騰化の時代が来た」・「異常気象がニューノーマルになりつつある」として警鐘を鳴らしています。干ばつ、森林火災、降水量・洪水の増加、氷河の後退、海水面の上昇、海洋上層酸性化、極端な気温の上昇等々、破局の前兆は身近に迫っています。戦争などをしている場合ではないのです。
四方海話 42 ― ときの話題 ー その1 「おわり」
次回は 四方海話 43 ― ときの話題 ー その2 です。

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