四方海話 4

第一話のつづき

 ‥ (なみ・ろう)‥

 ・波浪、風浪、激浪

 ・移ろい定まらない様子・・・浪人、浪々(の身)、浮浪、放浪、流浪

 ・際限がない様子・・・浪費

 ・当て字・・・浪漫(英語のロマンティック)

 ・地名・・・なにわ(浪花、浪華、浪速)

 ‥ (かた)‥

 ・干潟・・・潮の干満で見え隠れする土地

 ・塩地・・・塩分を多く含んだ土地

 ・砂州や砂丘などで海と区切られてできた湖沼

 ‥ (なだ)‥

 三水に難。字を見ただけで表す意味はおおよそ理解できますが、海上保安庁発行の海図図式 には次の14か所が載っています。

鹿島灘・相模灘・遠州灘・熊野灘・播磨灘・備後灘・燧灘(ひうちなだ)・安芸灘・周防灘・伊予灘・響灘(ひびきなだ)・玄界灘・天草灘・日向灘

 昔、船の動力は風だけであり横帆に風を受けながら前進していましたが、この時代の航海は山立て航法(地文航法・沿岸航法:陸地を見ながら自船の位置を決定して目的地までの進行方向をきめる。)に頼っていたことから、季節により風が強くなったり風向が変わりやすい、波、うねりが高い、霧が出やすい、潮流が速く変化しやすい、浅瀬や島が多いなどは船を走らせるうえで大きな障害となりました。そうした航海の難所を「灘」と名付けたのだと思います。そうした海域を自分が船長になったつもりで船(帆船)で乗り切るにはどんな注意が必要かをシミュレーションしてみるのも面白いと思います。

葛飾北斎 「神奈川沖浪裏」(出典:ウィキぺディア)

 ‥ (しお)‥

 太陽と地球と月の相対位置変化で起きる海面の昇降運動。「干潮」(引き潮、下げ潮)、「満潮」(満ち潮、上げ潮)など海面の高低により表現はいろいろです。 また、親潮、黒潮など海流の名称にも使われています。

 海釣りを趣味とする人にとって、潮の干満の時刻を知ることは釣果に直結する重要なファクターになります。上げ潮三分(干潮から三割ほど潮が満ちたとき)、下げ潮三分(満潮から三割程度潮が引いたとき)それぞれと「まずめ時」が重なると魚が良く釣れる。まずめ時とは、日の出と日の入りの前後約1時間ほどの時間帯を云います。日の出前後1時間を「朝まずめ」、日の入り前後1時間を「夕まずめ」と呼びますが、この時間帯は魚の餌となるプランクトンの活動が活発化し、それを食べる魚にとってもお食事時間となって、結果よく釣れる。英語の「トワイライト(タイム)」とほぼ同時刻、黄昏(時)、薄明、薄暮、怪しくかつロマンティックな時間帯です。

 また、あまりポピュラーな言葉ではないのですが、「潮目」(しおめ)、「潮境」(しおざかい)と呼ばれる魚が集まる場所がある。東日本の三陸沖では暖流の「黒潮」と寒流の「親潮」がぶつかり合い大きな潮目が形成され、世界有数の好漁場となっていることはご存知のとおり。そんな大規模なものではなくとも、季節や天候にもよりますが海にはたくさんの潮目が発生していて、そこには海上を漂うゴミはもちろんのこといわゆる「海の藻屑」が集まり、それは漂流する❝ゆりかご❞と言ってよいほど小さなに生命に満ちた小宇宙で、近くにはそれらを餌とする小魚が集まりさらに小魚を狙う海鳥や大型の魚も群がるまさに食物連鎖の起点となっている貴重なところです。

 ‥ (なぎさ)‥

 海や湖の波打ち際、水際のこと。人名にも使われている。古い映画でグレゴリーペック主演「渚にて」と題し、第三次世界大戦直後を描いたアメリカ映画がありましたが、美しい題名に反してラストシーンに戦慄したのを覚えています。

つづく

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