ー ときの話題 ー §23
液化二酸化炭素の海上輸送‼
海上保安レポート2024
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液化二酸化炭素の海上輸送‼
何のために運ぶ?
発電所や製鉄所、化学プラントなどから排出されるCO₂(GHG)を回収・液化し、専用の運搬船で貯留施設や利用拠点まで輸送することにより、環境(大気中)への排出を抑えつつ、脱炭素社会の実現に向けて、必要となる海上輸送手段を検証するため。
どこから、どこへ?
CO₂海上輸送の実証試験船「えくすくぅる」(2023年11月就航)は、主に京都府舞鶴港(舞鶴発電所:石炭火力発電所)から北海道苫小牧港(苫小牧CCS実証試験センター)の間に就航し、CO₂の海上輸送に適した諸条件に関する実証データを収集することとなります。【CCS:Carbon dioxide Capture and Storage・二酸化炭素回収・貯留」技術】
液化CO₂海上輸送実証試験船「えくすくぅる」

出典:NEDO(国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構)HP、not edited.
「えくすくぅる」の主要目は、総トン数996㌧、全長72.0㍍、全幅12.5㍍、喫水4.55㍍、航海速力約14㌩、タンク容量合計1,450㍍³、タンクは−20~−50℃、2~0.6MPa(20.394~6.118㌕/㌢²)までの温度・圧力を調整できる冷凍装置を搭載しているのだそうです。
CO₂を将来何に使う?
CO₂を資源として再利用するためには、まだたくさんの技術的課題が残されています。

カーボンリサイクルのために必要な技術の現状と課題(出典:資源エネルギー庁・エネこれ)
石炭火力発電所などCO₂の排出するプラントから貯留までの模式図です。

CO₂の排出~貯留までの全体イメージ図(出典:資源エネルギー庁・エネこれ)【赤丸:筆者強調加筆】
北海道苫小牧港(苫小牧CCS実証試験センター)では、海底下約1,000~1,200㍍の砂岩層(藻別層)と、約2,400~3,000㍍の火山岩層(滝ノ上層)に合計30万㌧のCO₂が圧入済みで、長期的な貯留の安全性と環境への影響を確認し評価するため、モニタリングを行っています。

CO₂の海底下地殻内貯留の模式図(出典:資源エネルギー庁・エネこれ)
世界各国のCCS事業の動向

(出典:資源エネルギー庁・エネこれ)
CCS事業のロードマップ(日本)

(出典:経済産業省・CCS長期ロードマップ検討会説明資料)
CCS事業案件・2024年6月現在

(出典:経済産業省HP・CCS事業化に向けた先進的取組)
(上記の図中、2)、5)、6)、7)、8)、9) の各事業案件では、タンカーによるCO2輸送を計画していることに注目!)
今月(2024年9月)の初旬、NHKのニュースで「液化二酸化炭素輸送船開発 海運と造船7社 共同でタンク設計など検討へ」として報道されました。参加7社、順不同
- 川崎汽船株式会社
- 株式会社商船三井
- 日本郵船株式会社
- 三菱造船株式会社
- 今治造船株式会社
- ジャパンマリンユナイテッド株式会社
- 日本シップヤード株式会社
液化石油ガス(LPG)や液化天然ガス(LNG)の専用運搬船の建造実績から、液化二酸化炭素の海上輸送船に関してもノウハウは心配ないとは思います。実証試験船で蓄積されたデータを基に世界標準となるべき優秀なタンカーが出来上がるものと期待されます。
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海上保安レポート2024
今年(令和6年)5月中旬に発刊・公開されました。内容を見てみると、昨年(2023年)の主な出来事の紹介(トピックス)と特集記事を通じて、業務の紹介を前面に出したリクルート情報誌のようなイメージが強く、少し違和感がありました。元々は「海上保安の現況」(いわゆる白書)として発刊されていましたが、2001年(平成13年)から「海上保安レポート」に改称され、内閣の閣議了承を必要としない刊行物となりました。
以下、著者の独断で興味があった記事について紹介します。


TOPICS 海上保安の1年 から
10 羽田空港滑走路における海上保安庁航空機と日航機の衝突事故
事故調査委員会の調査最終報告書がまだ公開されていませんので、原因等への言及は避けなければなりませんが、ただ一言だけ!「管制官は海保機に対し、到着機(日航機)がある旨の情報をなぜ伝えてやらなかったのか?」この点だけが引っかかっています。亡くなられた海上保安庁職員の冥福をお祈りすると同時に、調査最終報告書の早期公開が待たれます。
11 我が国の大陸棚がさらに延長します


(出典:海上保安レポート2024)、not edited.
本編 から
1 生命を救う


(出典:海上保安レポート2024)、not edited.
2 治安の確保





漁業関係法令違反



外国漁船による違法操業等への対策

密輸・密航対策


テロ対策

不審船・工作船対策

海賊対策


(出典:海上保安レポート2024)、not edited.
3 領海・EEZを守る
海洋に関する国際的なルール


(出典:ウィキペデア、 表示 4.0 国際)、not edited.
日本の排他的経済水域の地図(2016年12月21日)、著者:閣僚会議 沿岸警備隊

(出典:海上保安レポート2024)、not edited.
尖閣諸島周辺海域の緊迫化




中国海警局の船舶に対応する海上保安庁の巡視船
(出典:海上保安レポート2024)、not edited.
外国海洋調査船等の活発化


外国海洋調査船に中止要求を行う巡視船
(出典:海上保安レポート2024)、not edited.
海洋権益確保のための海洋調査

(出典:海上保安レポート2024)、not edited.
4 青い海を守る
海洋汚染の現況
海洋汚染発生確認件数の推移

令和5年海洋汚染の原因別に見た油による海洋汚染発生確認件数

令和5年海洋汚染の原因別に見た油以外の物質による海洋汚染発生確認件数

(出典:海上保安レポート2024)、not edited.
海洋環境保全対策の現況

海上環境関係法令違反の送致件数の推移

(出典:海上保安レポート2024)、not edited.
5 災害に備える
事故災害への対応
船舶火災

海上保安庁が防除措置を講じた油排出事故件数

(出典:海上保安レポート2024)、not edited.
自然災害対策
令和5年の現況

6 海を知る
海洋調査

7 海上交通の安全を守る
海難の現況
船舶事故

人身事故


(出典:海上保安レポート2024)、not edited.
ふくそう海域・港内等の安全対策



(出典:海上保安レポート2024)、not edited.
航行の安全のための航路標識と航行安全情報の提供


(出典:海上保安レポート2024)、not edited.
8 海をつなぐ
諸外国への海上保安能力向上支援等の推進


(出典:海上保安レポート2024)、not edited.
海上保安レポートは、毎年5月12日(海上保安の日)前後に発刊されます。前年の海上保安庁に関連した出来事や統計情報を要領よくまとめた冊子ですが、海保の所掌が多岐にわたるため一気に読むには、それなりに時間がかかってしまいます。要点を網羅したダイジェスト版が是非ほしいところではありますが、当「四方海話」では、「当たり障りもあろうけれども、サッサと出し書き」ました。冊子は税込み価格「1,540円」だそうですが、特に必要とされる方は「e-GOVポータル」などを利用したほうが安上がりです。
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四方海話66 ー ときの話題 ー §23 「おわり」
次回は 四方海話67 ー ときの話題 ー §24 です。

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