― ときの話題 ー その10
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世界最大の氷山・A23aが漂流の旅に出た!
南極、ウェッデル海の「フィルヒナー・ロンネ棚氷」から1986年に分離した「A23a氷山」は約35年の間、海底に引っ掛かって動きがとれなかったのですが、2020年になって俄かに動き出し,現在は南極半島の先端沖を北東方向へ移動中!
面積が約4,000㎢(東京都の約2倍)、氷の厚さ約400mの氷の塊が南極海で漂流し始めました。スピードは約5キロ/日程度とのことですが、漂流方向の前方にはミナミゾウアザラシ、ナンキョクオットセイのほか、アデリーペンギン、キングペンギン、ジェンツーペンギンなどペンギン族の大きな繁殖地、サウス・オークニー諸島、サウス・ジョージア島、サウス・サンドウィッチ諸島があります。もしも、これらの島々に巨大氷山が座礁することとなれば、これらの海洋生物の生活圏に大変化をもたらすことは必至で、最悪の場合は繁殖地が破壊されてしまうかもしれません。
実は、A23aに先行して、A68aというナンバーの氷山がサウスジョージア島の南西75㎞まで迫っているとの記事が3年ほど前にありましたが、こちらの氷山は2017年7月にラーセン棚氷(下の図に表示はありませんが、南極半島中央付近のウェッデル海側)から分裂し、当初、面積は5.800㎢(淡路島の約10倍)で観測史上最大とされていましたところ、サウスジョージア島への最接近時には、島と同じぐらいの面積(3.500㎢)にまで融けて縮小し、島に衝突することなく漂流し続けているそうです。

「南極地図 ja.png」 地図:Wikimedia Commons、CC BY-SA 3.0[^1^][1]
A23a氷山の漂流経過を示した図を見つけましたので、貼り付けます。

A23aの漂流経路図(出典:WikipediA)
南アメリカ先端の「ホーン岬」から、南極半島先端に連なる「サウス・シェトランド諸島」間の海峡は「ドレーク海峡」と呼ばれ、航海の難所として船乗り達に恐れられていた有名な海域で幅が約650㎞、一年中強い西風が吹き、南極周極流(南極環流)という名の海流が西から東に流れています。

ドレーク海峡の海図(出典:ウィキペディア)
COP28が閉幕
UAE(アラブ首長国連邦)で、11月30日から開催されていた「国連気候変動対策会議」(COP28)が12月13日、会期を1日延長して閉幕しました。
会議の目標は、パリ協定(2015年、パリで開催された第21回気候変動枠組条約締約国会議で採択された気候変動抑制に関する多国間の国際協定)で採択された主要目標のひとつ「世界全体の平均気温の上昇を産業革命前と比較して2度を十分下回るものとし、1.5度に抑える努力すること」に対し、世界全体でどの程度達成できたか進捗状況を確認、評価(第1回グローバル・ストックテイク:GST)し、対策の強化に向けて何ができるのかを検討することでした。会議では、化石燃料(石炭、石油、天然ガス)の今後についてが大きな焦点となりました。
欧米先進国や島嶼国は化石燃料の「段階的な廃止」を強調したのに対し、主要な産油国や二酸化炭素大量排出国は、COP28の最終合意から化石燃料への言及を全て排除するよう求めていたそうですが、会期を1日延長して至った最終合意文書では「段階的な廃止」には言及せず、「化石燃料からの脱却を進め、この10年間で行動を加速させる」となりました。
この合意に対する要人のコメントは
- 国連事務総長(グテーレス氏):「好むと好まざるとにかかわらず、化石燃料のフェーズ・アウトは避けられない。それが手遅れにならないことを祈ろう」
- 国連COP28事務局長(スティル氏):「化石燃料の時代に終止符を打つことはできなかったが、合意は化石燃料の終わりの始まりになる」
- コロンビア環境相(ムハマッド氏):「私たちは前進したが、結果を台なしにする落とし穴がいくつもある」
- 日本、伊藤環境大臣:「化石燃料からの移行に言及する文書が合意されたことは、大変重要だと認識している。我が国としては化石燃料を中心とする産業や社会構造をクリーンエネルギー中心への転換に取り組んでいることから、我が国の方針と整合していると考えている」
- 東京大学未来ビジョン研究センター、高村教授:「これまでの長い気候変動交渉の歴史の中で初めて、産油国であるUAEの議長のもとで、化石燃料からの脱却が今後の気候変動対策の方向性として合意されたことは、大変歴史的だ。『廃止』ということばは使っていないが、化石燃料からの脱却を加速し、最終的にはゼロに近づけていく方向性を示す文言だと評価できる。また、気候変動の影響を日本でも世界でも感じ始め、さらに将来大きな影響やリスクが生じ得ることを科学が示している。その意味では気候変動対策をさらに強化して、加速していく非常に重要な合意だった」
- 米国、ジョン・ケリー代表:「この合意は楽観につながるものだ」、(この文書にアメリカの要求がすべて盛り込まれたわけではないと認めた一方で)「前進であり、各国が合意できる内容だ」
- 欧州委員会オケプ・フ―クストラ委員:「化石燃料問題で30年間も合意に至らなかったなか、この合意は歴史的な偉業だ」
- 英国、グレアム・スチュアート気候担当相:「化石燃料時代の終わりの始まりだ」「我々が好まない要素もある」
- 英国、マンチェスター大学ケビンアンダーソン教授:「歓声と拍手が沸き起こることは間違いないだろうが(中略)物理学者は気にも留めないだろう。新たな合意によって今後何年も高レベルの排出が続くために、気温は上昇し続けるだろう」
- 独、アナレナ・ベアボック外相:「私たちはあなた方を見ている。そして、この文書があなた方、あるいはあなた方の子供たちにとって十分なものでないことを理解している」「ドバイでの合意はスタート地点に過ぎない」
- 某小島嶼国代表:「自分たちが会議室にいない間に合意が結ばれた」
会議最終日、合意文書の決定に際しては全会一致(全参加国は198ヶ国)で合意し、スタンディングオベーションが起こったそうですが、なんとも不可思議なことと思わざるを得ません?!
次回の会議(COP29)は11月11日から22日まで、天然ガスの産出国、コーカサス地方、カスピ海の西岸のアゼルバイジャン共和国(首都・バクー)で開催されます。
見てくれの悪い魚・・追加!
「見てくれの悪い魚」について、四方海話32、第十一話、海の雑学、・・海の生き物・・、11項で4種類ほど掲載しましたが、⑤⑥として以下の魚を追加します。
⑤ 箕作鮫(ミツクリザメ:ゴブリンシャーク)
世界各地から発見の報告があるものの、日本の駿河湾、相模湾、東京湾などの深海部に数多く住んでいると見られる深海性の鮫で、頭の先に長い吻(ふん)があるのが特徴、この吻は柔らかいので武器ではなく、下面には鋭敏な感覚器官を備えていて、暗い海底での餌探しに役立っているらしい。性格は穏やかで人間を襲うことはないとのことです。
過去「NHKスペシャル」で生態についての番組がありましたが、三浦半島先端の城ケ島沖の深海に生息し、千葉県金谷沖の比較的浅い海底で卵から生まれて幼魚期を過ごし、成長の後、深海に戻るのだとか。
写真を見ると実に恐ろしげですが、上顎は通常時、下の写真のように格納されているのだそうです。また、漁師の刺し網などに偶然入った時などには水族館に寄贈され、展示されることもあるとのことですが長生きせず、数日で死んでしまうのだとか。

File:Mistukurina owstoni museum victoria – head detail.jpg CC BY 3.0 au (出典:ウィキペディア)

File:Mistukurina owstoni museum victoria – head detail.jpg CC BY 3.0 au (出典:ウィキペディア)
最初の発見者は「アラン・オーストン」という英国の貿易商で、相模湾で深海生物の採集にあたっていたところ捕獲に成功し、東京大学三崎臨海実験所を設立した「箕作佳吉」(みつくりかきち:動物学者・理学博士)に寄贈、1898年アメリカの魚類学者により新種であることが確認されたとのことです。
⑥ ニュウドウカジカ
ウラナイカジカ科・カサゴ目に属する底生性の深海魚で、日本では「アカドンコ」の別名があるそうです。ブヨブヨでオタマジャクシのような体形をしていて、大きいものでは全長70㎝ほどになるとか。なんともユーモラスな顔が特徴的です。


ニュウドウカジカの画像(出典:ウィキペディア)
北海道から熊野灘にかけての太平洋側、水深250~1000㍍の深海に生息し、食用にもなるらしいですが、魚屋の店頭やスーパーマーケットで見かけることはほとんどありません。体形の割には大きな口ですが何を食べて生きているのでしょうか?
四方海話 52 ー ときの話題 ー その10 「おわり」
次回は 四方海話 53 ー ときの話題 ー その11 です。

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