第二十話 ー 領土・領海・EEZ・大陸棚 ー その2
2 竹島問題
竹島は、江戸時代後期の廻船業者で海商「高田屋嘉平」の持ち船「辰悦丸」や他の大型(千石積み以上)の北前船が、沖乗りで日本海を航行する際のランドマークや避泊地としていた(?)他、伯耆(ほうき)・出雲(いずも)・石見(いわみ)・隠岐(おき)等の漁師がアジ、サバ、アワビ、ナマコ、ワカメなどの好漁場として利用していた。また、伊豆諸島と並んで「二ホンアシカ」の生息地でしたが環境悪化により二ホンアシカは絶滅してしまいました。
遅くとも17世紀の半ばには日本の領有権が確立していたと考えられていますが、問題の発端は「李承晩(りしょうばん)ライン」です。
第二次世界大戦終戦後、日本の領土等について取り決めた「サンフランシスコ平和(講和)条約」(前項記述)発効(1952年4月28日)直前の1952年(昭和27年)1月、韓国は突然かつ一方的に「李承晩ライン」を設定し、竹島をライン内に取り込んでしまいました。その後、1965年(昭和40年)「日韓基本条約」の締結までにラインの越境を理由に日本漁船328隻を拿捕、乗組員44名を死傷させ、3,929名を抑留(うち8名死亡)が確認されているほか、海上保安庁の巡視船に対する銃撃事件が15件、1953年1月には済州島沖の公海上で操業中の漁船「第一大邦丸」が、韓国の漁船から無警告で自動小銃による銃撃を受けたうえ、僚船「第二大邦丸」とともに拿捕され、銃撃で左後頭部に銃創を受けた第一大邦丸の漁労長(当時34才)が拿捕後、済州島で亡くなっています。
現在、韓国は竹島を要塞化し、2012年には前々大統領「李明博」(イ・ミョンバク)、2016年には前大統領「文在寅」(ムン・ジェイン)が視察のため上陸したほか、韓国国会議員団も上陸させています。日本はその都度厳重に抗議していますが、最近では島を観光地化し、既成事実を積み重ねるため民間観光客も受け入れているようです。
日本は竹島領有問題解決のため過去3回、「国際司法裁判所」に付託することを提案していますが、韓国側は、過去の領有に関する資料や根拠を何等示さないまま拒否し続けています。
韓国大統領が「尹錫悦」(ユン・ソンニョル)大統領に代わりました。今後この問題を如何に解決するのか、厳しい目をもって注目しましょう。

李承晩ラインの位置図(出典:外務省資料<一部筆者加筆>)
3 尖閣諸島問題
日本は尖閣諸島について、1895年(明治28年)1月、国際法に則り沖縄県に編入し、以後、民間による鰹節工場の建設やそれに伴う住民の移住、海鳥の羽毛の採取などを行ってきました。戦前の最盛期には200人以上の住民が暮らしていたそうです。
中国福建省の漁船が魚釣島付近で遭難した際の救助活動に対し、1920年(大正9年)5月、在長崎中国領事からの感謝状には「日本帝国沖縄県八重山郡尖閣列島」の記載が認められ、中国の公人が尖閣諸島の沖縄県による施政権を認めています。
さらには、1972年(昭和47年)に発効した日米間の「沖縄返還協定」のなかにおいても、対象区域内に尖閣諸島が含まれています。
以上、歴史的にも国際法上も明らかに日本の領土であることが明確であるのにもかかわらず、諸島周辺での国連の調査により石油埋蔵の可能性が指摘された後の1970年代以後、中国が俄かに自国の領有権を主張しはじめ、公船による挑発・示威行動や日本漁船の操業妨害を繰り返しています。

尖閣諸島位置図(出典:外務省資料<一部強調加筆>)

尖閣諸島位置図2(出典:外務省資料)

尖閣諸島位置関係図(出典:外務省資料)
沖縄県知事が中国を正式訪問し首相と面会した旨の報道がありました。会談のなかで知事からは尖閣問題に関連した発言はなく、那覇空港と中国を結ぶ直行便の回復を要望したとのことでしたが、「アレッ?」と感じたのは私だけではないと思います。
4 東シナ海中間線問題
中国は、東シナ海の中間線ギリギリに天然ガスの試掘井戸(掘削リグ)を多数設置(現在18基)して、有力なガス田を探している。2008年日中両政府はガス田の共同開発について合意しましたが、条約の締結についての交渉は中断したまま進展せず、掘削は継続されている。
昨年5月(2022年5月)リグの一基で、天然ガスの生産過程で発生する余剰ガスを燃焼させる火炎が確認され、外務省は条約の締結に向けた交渉に応じるよう申し入れた。リグは現在、18基が確認されていて、そのうち13基で火炎が確認されているとのことです。

東シナ海、中間線付近の掘削リグの位置図(出典:外務省・防衛省)

確認エリアと沖縄本島、尖閣諸島との相関図(出典:外務省・防衛省<筆者加筆>)

掘削リグ(白樺)の画像(出典:防衛省・外務省)
中国は東シナ海の排他的経済水域(EEZ)について「東シナ海大陸棚沖縄トラフ限界説」を主張しているところ、日本は「東シナ海大陸棚琉球海溝限界説」を主張し、大陸棚上にある境界は「衡平な解決」の原則に則り、日中等距離中間線を大陸棚・EEZの境界とすることが妥当である旨を主張しています。

日中のEEZ限界についての主張の違い(国土地理院地図上に筆者作図)
四方海話 37 第二十話 - 領土・領海・EEZ・大陸棚 ー その2 「おわり」
次回は 四方海話 38 第二十話 - 領土・領海・EEZ・大陸棚 ー その3 です。

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