四方海話 35

第十六話  ー 船のサイズ ー  

 << 雑記 >> 

 ・ 現代の船いろいろ ・

  外航船(外国航路に従事する船)

  1.  コンテナ専用船
  2.  ばら積み船(バルカー)
    •  穀物専用船
    •  石炭専用船
    •  鉱石専用船
    •  チップ専用船
    •  木材専用船
  3.  冷凍運搬船
  4.  原油タンカー(VLCC・ULCC)
  5.  LPG(液化石油ガス)タンカー
  6.  LNG(液化天然ガス)タンカー
  7.  ケミカル(化学薬品・製品等)専用タンカー
    •  アスファルト専用船
    •  溶融硫黄専用船
    •  硫酸専用船
    •  苛性ソーダ専用船
    •  メタノール専用船
    •  二塩化エチレン専用船
    •  糖蜜専用船
  8.  自動車専用船(カーキャリア)
  9.  重量物運搬船
  10.  客船

  内航船(国内各港間の物資等の輸送に従事する船) 

  1.  一般貨物船
  2.  油タンカー
  3.  ケミカルタンカー
  4.  LPGタンカー
  5.  LNGタンカ―
  6.  セメント専用船
  7.  石灰石専用船
  8.  自動車専用船
  9.  RORO船(ロールオン、ロールオフ船:大型のランプウェーを備え、コンテナを積載したトレーラーを船内に直接引き込むことができるため、ガントリークレーンがない港へもコンテナの配送が可能。)
  10.  LOLO船(リフトオン、リフトオフ船:ガントリークレーンでコンテナを積み下ろしをする従来型のコンテナ船。)
  11.  フェリー
  12.  プッシャーバージ
  13.  客船

  作業船・タグボート等(海上工事に使用する特殊作業船や大型船の出入港の支援にあたる船)

  官庁船(漁業調査船・巡視船・海洋調査船など)

  護衛艦(海上自衛隊独自カテゴリー)

 ・ 外航船のサイズ分け ・

ばら積み船(バルカー)コンテナ船タンカー
ミニ載貨重量約1万㌧未満
スモール〃 約1~2.8万㌧
ハンディーサイズ〃 約2.8~4万㌧
ハンディーマックス〃 約4~6万㌧載貨重量3.5~4.5万㌧
スーパーマックス〃 約5~6万㌧
パナマックス〃 約6~10万㌧パナマ運河可航サイズ載貨重量5.5~8万㌧
新パナマックス〃 約6~12万㌧パナマ運河拡張後の可航サイズ
マラッカマックスマラッカ海峡可航サイズ
アフラマックス載貨重量8~12万㌧
スエズマックススエズ運河可航サイズ〃 12~20万㌧
ケープサイズ載貨重量約10~20万㌧
VLOC載貨重量20万㌧以上
VLCC載貨重量18~32万㌧
ULCC〃 32万㌧以上
VLOC:Very Large Ore Carrier(Ore:鉱石)・VLCC:Very Large Crude Oil Carrier・ULCC:Ultra Large Crude Oil Carrier
  •  ミニ :相対的に小型のばら積み船で小規模港や地方港湾間の海上輸送に便利。
  •  スモール : 同上
  •  ハンディーサイズ :世界中の殆どの港に入港・荷役が可能なサイズ。
  •  ハンディーマックス・スーパーマックス :全長約190㍍で通常5つの船倉と、4基の30㌧クレーンを備える。
  •  パナマックス :パナマ運河を通航できる最大サイズ。全長294.1㍍、全幅33.3㍍、喫水12㍍、最大高さ57.91㍍。
  •  新パナマックス :2016年運河拡張工事以後の可航最大サイズ、全長360㍍、全幅49㍍、喫水15.2㍍、最大高さ57.91㍍。
  •  マラッカマックス :マラッカ海峡可航最大サイズ。全長333㍍、全幅60㍍、喫水20.5㍍。
  •  アフラマックス :タンカーのミディアムサイズで、石油輸出国機構(OPEC)に非加盟の石油輸出国では港や運河が比較的狭いため、VLCCやULCCを使うことが出来ない場合このサイズのタンカーを使う。
  •  スエズマックス :スエズ運河可航最大サイズ。全長制限なし、全幅50㍍、喫水20.1㍍、喫水上高さ68㍍。 
  •  ケープサイズ :大型ゆえ、パナマ運河もスエズ運河も通航不可。太平洋、インド洋、大西洋間を移動するには、喜望峰やホーン岬沖を行き来する。
  •  VLOC :載貨重量20万㌧以上の大型バルカー。
  •  VLCC・ULCC :スーパータンカーといわれる巨大船。過去最大のULCCは、神奈川県横須賀市の住友重機追浜造船所で建造された「ノック・ネヴィス」(1979年12月竣工)、総トン数260,851㌧、全長458.45㍍、喫水24.61㍍ですが、残念ながら既に解体されて現存しません。

第十七話    ー 船の航海 ー

・・・ 外航船の航海 ・・・

 ・ 大圏航路と等角航路 ・

 海図(メルカトール図法)上で2点間を結んだ線(下図の青線)が等角航路、地球は球体なので海図上で最短コースを引くとなると下図の赤線(大圏航路大円航路)のようになります。

 動力船で航海する際は時間と燃料の節約のため、大圏航路を採ることが要求されますが、季節による海流の変化や気象・海象が考慮されることは言うまでもありません。

 東京湾口からサンフランシスコ間を例にとると距離の差は約450㌔㍍にもなり、仮に20㌩で航海するとすればおよそ半日の差が生ずることになります。燃料の節約量については個々の船の特性によりますので一概には言えませんが、累積すれば相当の額となることは明白です。

大圏航路と等角航路

第十八話  ー 七つの海(セブンシーズ) ー

① 古代ギリシャ(人)の世界観

 紀元前8世紀ころのギリシャは既に船を手に入れ、地中海を航海して沿岸各地に植民地の建設や交易をしていたらしいですが、彼らが抱いていた世界観は自国を中心として北側に、自国を含むヨーロッパ大陸、地中海を挟んで南にリビア(アフリカ大陸)、地中海の西の端はジブラルタル海峡でその外側は単なる海(オケアノス)、北東方向はボスポラス海峡を通過して黒海、その東端の現ジョージア(旧グルジア)のフィシス川(リオ二川)でその先は海に通じ、リビアとアジアの間にナイル川が存在してその上流は海に至るという単純なもので、海(オケアノス)の外側は認識していなかった?

古代ギリシャの哲学者「アナクシマンドロス」(BC610年頃~BC546年)の世界観(出典:ウィキペディア)

➁ 中世アラビア世界の七つの海

 中世のアラビア人(ムスリム)は帆船(ダウ船)を使ってアラビア半島の周辺海域を広範囲に航海し、大西洋・地中海・紅海・ペルシャ湾・アラビア海・ベンガル湾・南シナ海の七つの海を認識していたようです。

③ 中世ヨーロッパの七つの海

 中世ヨーロッパの人々は上記➁と異なり、大西洋・地中海・黒海・カスピ海・紅海・ペルシャ湾・インド洋としていました。

④ 大航海時代(15世紀中頃~17世紀中頃)

 大西洋・地中海・カリブ海・メキシコ湾・太平洋・インド洋・北極海

⑤ 現代の七つの海

 北太平洋・南太平洋・北大西洋・南大西洋・インド洋・北極海・南極海

第十九話  ー 現代の航海計器 ー

・ 電子海図とGPS ・

 電子海図はこれまでの紙製海図に代わって、IMO(国連、国際海事機関)のレギュレーションに準拠したデジタル海図をPCや専用のディスプレーに表示し、専用ソフトで必要な航海情報を取り込んだうえ重ね合わせて表示することができる。言わばカーナビシステムの海上版です。

 ひと昔前までは、当直航海士が紙の海図上に三角定規とディバイダを使って自船の現在位置やコースを記入していましたが、GPSが軍事用から民生に開放されて以来その作業がなくなりました。航海者はPCや専用ディスプレー上でリアルタイムに自分の位置を知ることができるほか、AIS情報やレーダー映像も重ねることができるため、航海中、自船針路前方の見張りに、より集中することが可能となりました。

・ レーダーとAIS ・

 レーダーは戦前、戦中を通じて陸軍において防空上の理由から研究、開発されていた一方、海軍では「闇夜の提灯」(電波を出すことにより敵に自分の位置を探知される。)であるとされ、研究の対象外だったそうです。太平洋戦争の転機「ミッドウェー海戦」では、一説、レーダーの有無による索敵能力の差が勝敗を決したといわれていますが、現代の航空機や船舶の航行には必要不可欠な航行計器として搭載されているほか、気象予報や速度違反の取締り、ミサイルの誘導・迎撃技術などに応用範囲が広がっていることはご存知の通りです。他方、2008年(平成20年)7月1日以降、要件を満たす船舶に装備することが義務化されたAIS(自動船舶識別装置)は、元々テロ対策を目的としてIMO(国際海事機関)の主導で運用が開始されましたが、現在では航行船舶の衝突予防積荷情報の把握運航管理支援業務航行管制業務にも広く利用されています。

レーダー・電子海図・AISを重畳させたディスプレイ画面(東京湾浦賀水道・中ノ瀬航路)

四方海話 35    第十九話  ー 現代の航海計器 ー     「おわり」

次回は  四方海話 36    第二十話  — 領土・領海・EEZ・大陸棚 ー  です。

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