ーときの話題ー §52
1 〈MSJC PICK UP〉船舶事故統計(運輸安全委員会) ~2026・5/31
2 モササウルス類の前上顎骨を国内で初めて確認 ⁈
3 気になるニュース・トピック・心配ごと
⑴ 北極海の海氷の今?
⑵ 三連休、海の事故多発!
1⃣ SUP中の事故1⃣
2⃣ 遊漁船火災
3⃣ 水上バイク、女性と衝突
4⃣ その他(5件・報道ベース)
⑶ 扇島「アンローダークレーン解体工事中の事故」続報!
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1 〈MSJC PICK UP〉船舶事故統計(運輸安全委員会) ~2026・5/31
2026年(令和8年)1月1日~5月1日までの統計ではありますが、夏季ハイシーズン直近の海難事故防止のための注意喚起です。




(出典:上記の表及び円グラフはいずれも運輸安全委員会の 船舶事故統計による)・not edited.
年半ばの統計で、予測でしかありませんが、通年では昨年と同程度の件数・隻数になりそうです。
2026年の船舶事故件数は、5月31日現在で181件、事故隻数は248隻となっています。 これらの数値は、運輸安全委員会による“調査対象事故”の暫定集計であり、今後の調査進捗や夏季の航行増加に伴い、件数が追加される可能性があります。
例年、6〜10月はプレジャーボートや漁船の活動が活発化し、衝突・乗揚・転覆などの事故が増える傾向があります。現在の数値はハイシーズン前のものであるため、年間の傾向を判断することはできませんが、これから事故が増えやすい時期に入ることは確かです。
海上交通の安全確保のため、発航前の点検、気象・海象の確認、適切な見張りの徹底、早めの危険回避動作など、基本的な安全対策を改めて確認・徹底する必要があります。
夏季の海難事故の増加を防ぐためにも、海事関係者・海域利用者の皆様には、「海上安全」への意識を新たにしていただくことをお願いします。
MSJCについて
MSJC(More Safety Japan Coastは「日本の海の安全・安心」を目標として、関係省庁や地方公共団体、企業等に対し、意見の上申や提案をするグループです。NPOやNGOの類ではありません。
日本沿岸での海難事故ゼロを目標として、法律上搭載義務がない小型船舶(漁船)へも「VHF」「AIS classB」の装備を推奨しています。
ご意見・お問い合わせは「msjc2511@yahoo.co.jp」までお願いします。
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2 モササウルス類の前上顎骨を国内で初めて確認 ⁈
大阪府貝塚市蕎原(かいづかしそばはら)で30年前に採取された化石を含む岩石を、岡山理科大学、東京都市大学、きしわだ自然資料館などの共同研究グループがクリーニングしたところ、モササウルス類の前上顎骨であることが確認され、さらに、既知のモササウルス類とは異なる特徴が複数見つかっており「新種の可能性が高い」として研究を進めるとのニュースリリースがありました。
モササウルス類の概要
「白亜紀後期(約9800万年~6600万年前)」に世界中で海に進出して巨大化した、海生爬虫類(有鱗目:体表が鱗(うろこ)に覆われるトカゲ、ヘビの仲間)です。

大阪府貝塚市産モササウルス類化石の復元画。 著作.「©川崎悟司」さん
(出典:東京都市大学プレスリリース2026.07.01から)・not edited.
大きさ
発見された複数の骨(前上顎骨・底蝶形骨など)の大きさ比較から、全長はおよそ6 m、体重1~2㌧と推定、骨の成熟度から「成体」(大人の中型モササウルス)と判断されたそうです。
食性
モササウルスは白亜紀後期の海の頂点捕食者で、魚・アンモナイト・ウミガメ・他の海生爬虫類(魚竜〔イクチオサウルス類〕・首長竜〔プレシオサウルス類〕)など、目の前の獲物はほぼ何でも食べてしまうほどの「獰猛な海トカゲ」だった。
進化の過程
モササウルスの進化は「陸トカゲ → 水陸両用トカゲ → 海トカゲ → 完全に海生の巨大トカゲ」という段階的な「海への適応」を果たし、ヒレ・尾ヒレが発達、胎生を獲得して完成した。
- 白亜紀前期の陸上では恐竜が支配しており、当時、トカゲ類は¹ニッチが限られていた。
- トカゲ類は小型の昆虫食が中心で競争が激しかった。
- 陸上では種の存続が危ぶまれ、海浜へ逃げた。
- 海浜へ逃げ込むことで、陸上の捕食者から逃れられる⇒海辺は安全地帯だったうえ「餌」も豊富だった。
- 陸上捕食者(恐竜)から距離を取ることができる。
- 浅い海中では新しいニッチが開いていた。
- 陸トカゲから水陸両用トカゲへ変身!
- 尾が側扁化(左右に平たくなる)していった⇒水中での推進力が増す。
- 四肢がオール状に進化⇒泳ぎやすくなる。
- 体幹が柔軟化⇒水中でのうねり(クネクネ)運動が可能だった。
- 白亜紀は温暖で海水温が高く、海進で浅い海域が広がっていた。
- 温暖な浅海は生産力が高い。
- 水温が安定しており、変温動物(爬虫類)には有利だった。
- 海草・藻場・サンゴ礁が発達し餌が豊富だった。
- 有鱗目(トカゲ・ヘビ)は元々、形態的に海進出しやすい特徴を持っていた。
- 体が柔軟で泳ぎが得意!
- 尾のうねり運動で水中で推進力を得ることが容易!
- 肺の容量が大きく潜水に適応しやすかった。
- 他の海生爬虫類の絶滅によりニッチの空白が生じた⇒白亜紀前期には魚竜(イクチオサウルス)や首長竜(プレシオサウルス類)が衰退(²海洋無酸素化〔OAE1a〕で海の環境が激変し、餌となる魚やイカが大量に減った)したことで、モササウルス類の繁栄とは対象的に減少し始めていた。
- 海中での高速遊泳する捕食者が減少⇒上位捕食者の席が空いた。
- 結果、新規参入者(モササウルス類)が急速に拡大していった。
¹ニッチ(niche):生物が生態系の中で占める「役割・居場所」(餌を含む)のこと。
²海洋無酸素化〔OAE1a〕:約1億2000万年前の白亜紀前期に起きた「海洋が広範囲で酸素を失った」地球規模の環境異変のこと。巨大火山活動(³オントンジャワ海台噴火その他)で温暖化が進み、海水の循環が弱まり、深海に酸素が届かなくなったことで発生した。
³オントンジャワ海台噴火:ソロモン諸島の北側に広がる地球最大級の海底火山台地で、その範囲は、 東西約2,000km・面積150〜200万 km²とされ、白亜紀前期に大噴火し、地球規模の環境変動(OAE1a:Oceanic Anoxic Event 1a・約1億1955万年前に起きた「海が広範囲で酸素を失った」白亜紀前期の重大な環境危機異変。)を引き起こした。オントンジャワ海台のみならず、南太平洋には巨大火山由来の海台(マニヒキ海台〔南太平洋、クック諸島北方〕、ヒクランギ海台〔ニュージーランド北島東方沖〕など)が複数存在している。

オントンジャワ海台の位置図(概位)(国土地理院地図上に著者作図)
絶滅の原因
モササウルス類の絶滅は白亜紀末(約6600万年前)の巨大隕石衝突(⁴チクシュルーブ・インパクト)を原因として、その後の地球規模の急激な寒冷化・光合成停止・食物連鎖の崩壊により餌を失い急速に絶滅してしまった。
⁴チクシュルーブ・インパクト:約6600万年前に直径10kmの巨大隕石が現在のメキシコ・ユカタン半島付近に衝突した地球規模の災害のこと。 衝突で発生した莫大な熱と粉塵が太陽光を遮り、急激な寒冷化と光合成の停止を引き起こし、恐竜やモササウルス類を含む多くの生物が大量絶滅した。
大阪府貝塚市産モササウルス類化石を含む岩石の発見位置

モササウルス化石を含む岩石の発見位置(概位)
東京都市大学プレスリリース(2026.07.01)添付図を参考として国土地理院地図上に著者作図
日本で化石が発見されたモササウルス類
- 北海道勇払郡むかわ町穂別で発見されたモササウルス化石(2種類)
- モササウルス ホベツエンシス(Mosasaurus hobetsuensis)
- 分類:モササウルス亜科(Mosasaurinae)
- 特徴:強力な咬合力を持つ頂点捕食者
- 体長:約7〜8m(大型)
- 発見:1976年、高校生が穂別地域の川沿いの白亜紀後期海成層(蝦夷層群)で発見
- 保存状態:頭骨〜尾椎まで連続する保存状態がよい標本。日本で初めて記載されたモササウルス属の新種
- フォスフォロサウルス ポンペテレガンス(Phosphorosaurus ponpetelegans)
- 分類:⁵ハリサウルス亜科(Halisaurinae)
- 特徴:巨大な眼を持つ“夜行性・深海性”の可能性がある。
- 体長:約3〜4m(小型)
- 発見:ベルギーのリン鉱山で発見された(1889年)、1996年に化石の再解析が進み、Halisaurinae(ハリサウルス亜科) に属する小型モササウルス類として位置づけられ、2009年に、日本の北海道勇払郡むかわ町穂別付近の河川流域で化石が発見された。
- モササウルス ホベツエンシス(Mosasaurus hobetsuensis)
⁵ハリサウルス亜科:モササウルス科の中でも小型で原始的な特徴をもつグループ” のこと。鰭(四肢)の分化が進んでおらず、遊泳能力低い。深海性・夜行性の可能性がある種も含む。

北海道勇払郡むかわ町穂別の位置(国土地理院地図上に著者作図)
- セルマサウルス(Selmasaurus)
- 2022年、鹿児島県薩摩川内市沖の下甑島(しもこしきじま)の白亜紀地層で発見された。
- セルマサウルスは、白亜紀後期の海に生息した中・小型(3〜5m)のモササウルス類で、独特の頭骨構造を持つ希少属。 北米大陸でのみ知られていたが、2022年の下甑島の発見により、分布・年代・進化史が大きく書き換えられた。

下甑島の位置(国土地理院地図上に著者作図)
- ワカヤマソウリュウ(Megapterygius wakayamaensis)
2006年に和歌山県有田郡有田川町長谷川鳥屋城山(とやじょうさん)の山中で京大大学院生が骨化石を発見しました。

ワカヤマソウリュウの化石(和歌山県立自然博物館蔵)(写真出典:Wikipedia、CC0)・not edited.
- 分類:モササウルス科・モササウルス亜科(Mosasauridae, Mosasaurinae)
- 体長:推定約6m(頭骨長約80cm)
- 標本の保存状態:尾を除くほぼ全身(頭骨・頸椎〜胴椎・肋骨・前後ヒレ)
- 学術的重要性
- アジア初のほぼ完全なモササウルス全身骨格が発見された。
- 「背ビレがあった可能性がある」という世界初の証拠を認めることができた。
- 前後の「ヒレの巨大化」・「両眼視」など、モササウルス類の多様性が拡張されることとなった。

ワカヤマソウリュウの化石発見位置(概位)・(国土地理院地図上に著者作図)
モササウルス化石の世界中の発見例
- 北アメリカ:北米はモササウルス類の「中心地」といえるほど化石が豊富にはっけんされている。
- ティロサウルス(Tylosaurus):2026年、テキサス州の標本が再分析され新種「ティロサウルス・レックス」と判明
- モササウルス(Mosasaurus)・セルマサウルス(Selmasaurus)など。
- ヨーロッパ
- オランダ:モササウルス・ホフマニ(M. hoffmanni)
- 18世紀、最初のモササウルス化石がオランダのマース川(Meuse)で発見された。
- ベルギー・フランス・ドイツ:プラテカルプス(Platecarpus)など多様な種が発見されている。
- ポーランド・チェコ:テチス海沿岸の産地として重要視されている。
- オランダ:モササウルス・ホフマニ(M. hoffmanni)
- 中東(地中海沿岸地方・イスラエル・レバノン・ヨルダン)
- イスラエル・レバノン・ヨルダン:モササウルス類の頭骨・歯の化石が多く出土⇒白亜紀当時のテチス海沿岸でモササウルス類が広く生息していたことを示す重要な証拠となっている。
- オセアニア(ニュージーランド)
- ニュージーランド:モササウルス類の骨格が出土⇒南半球の重要産地⇒⁶クレタセウス海洋の南方分布を示す。
- アフリカ(モロッコ)
- モロッコ:オウラノサウルス類・モササウルス類の化石が大量に産出、お土産物として販売されているとか!
- 南アフリカ・ナミビア:海生爬虫類の多様な化石が出土。
- 南米(チリ・アルゼンチン)
- チリ:モササウルス類の歯・骨の化石が出土。
- アルゼンチン:モササウルス科の化石⇒ゴンドワナ大陸側の重要な記録として重要視される。
⁶クレタセウス海洋(Cretaceous Ocean):白亜紀(約1億4500万〜6600万年前)の地球を覆っていた「海洋環境」の総称で、現在の海とはまったく異なる姿をしていたとされています。特定の海域名を指す固有名詞ではなく、白亜紀の海には以下のような特徴がありました。
- 白亜紀は地球史上でも 海面が高かった時代の一つで、地球表面全体で海洋が占める割合が大きく、地球表面の約65〜70%を海が占めていたと推定されています。
- 大陸内部まで海が侵入し、内陸海(内海)が多数形成されていた。
- 地球全体が温暖で、極域にも海洋生物が生息していた。
- アンモナイト、イノセラムス(白亜紀に生存したとされる大型の二枚貝)、魚竜、モササウルス類などが繁栄していた。
- プランクトンの大量増殖 ⇒ 現代の化石燃料の起源の一部となる。
今回の岡山理科大学、東京都市大学、きしわだ自然資料館などの共同研究グループによる化石の再解析は、古い標本の中にも新しい発見が埋もれていることを示しました。前上顎骨の確認や特徴的な骨の発見は、モササウルスの姿をより具体的に描き直す手掛かりとなり、白亜紀の海でどんな生き物が暮らしていたのかを、私たちに改めて考えさせてくれる機会を与えてくれました。
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⑴ 北極海の海氷の今?
下の画像は、NSIDC(:米国の「国立雪氷データセンター」〔National Snow and Ice Data Center〕が発表したもので、2026年7月18日の北極海氷濃度です。黄色線は1981〜2010年の平均氷縁で、現在の海氷域が過去より縮小していることが分かります。

7月18日の北極海海氷の状況
【出典:National Snow and Ice Data Center(NSIDC), University of Colorado Boulder
「Sea Ice Concentration, 18 Jul 2026】・not edited.
北極海の海氷は、季節によって大きく増減しますが、近年は長期的な減少傾向が続いています。 下のグラフは、1979年から2026年までの衛星観測データをもとに、海氷の「面積(Area)」と「海氷域の広がり(Extent)」を月ごとに比較したものです。
特に 2000 年以降は、夏季の海氷が大きく減る傾向が強まり、2020 年には観測史上最小の値を記録しました。 2026 年の最新データでも、7 月時点で過去平均より小さく、北極海の海氷減少が続いていることが分かります。
海氷の減少は、北極の生態系だけでなく、地球全体の気候にも影響を与える重要な変化です。 海氷面積が減ることで太陽光を反射する「白い面」が減り、海がより多くの熱を吸収することとなるため、温暖化がさらに進むという「フィードバック」が起こります。

出典: National Snow and Ice Data Center (NSIDC), Sea Ice Index
データ期間: 1979–2026
URL: https://nsidc.org/
いずれも海氷の最小値は8月下旬から9月上旬にかけてであり、赤い線の変化(2026年の推移)が気になるところです。
⑵ 三連休、海の事故多発!
1⃣ SUP中の事故
7月19日午前8時ごろ、横浜市金沢区の八景島大橋付近でSUPをしていた男性が海に転落し、溺水する事故が発生しました。通行人の通報で海上保安庁が救助しましたが、男性は意識不明の重体で搬送されました。SUPは人気のレジャーですが、落水後に再びボードへ上がれないケースが多く、海保もライフジャケット着用や気象確認の重要性を呼びかけています。
2⃣ 遊漁船火災
7月19日午前11時半ごろ、三浦半島沖(剱埼灯台の南東約9km)で遊漁船の機関室付近から火災が発生。乗員・乗客11人は近くの釣り船に避難し、全員無事。船は炎上後に沈没し、海上保安部が原因を調査中です。
3⃣ 水上バイク、女性と衝突
7月20日正午すぎ、兵庫県赤穂市・恋ヶ浜沖で海水浴中の女性に水上バイクが衝突し、女性が重傷を負いました。操縦していた男性も救助に加わり、海上保安部が業務上過失傷害の疑いで調べています。
4⃣ その他
- 北海道積丹町:海水浴中の男性が溺れ救急搬送
- 静岡県下田市:遊泳中の男性が流される(救助)
- 福井県若狭湾:釣り中の男性が海に転落、救助、救急搬送
- 沖縄県恩納村:ダイビング中のトラブル、救急搬送
- 青森県八戸:磯遊び中の子どもが転落、保護者が救助
夏の海は、SUPや水上バイク、海水浴など、誰もが楽しめる魅力にあふれています。 しかし、毎年のようにレジャー中の事故が起きており、ちょっとした油断と自己過信が大きな危険につながることがあります。
海は、天候や潮の流れが刻々と変化する場所です。普段の生活環境と異なる、言わば自然環境の中にただ一人放り込まれることになり、「慣れているから大丈夫」「少しだけなら平気」と思っていても、予想外の海象の急変(風向の急変、強い風や波、潮流の変化)、疲労、四囲の状況変化などが重なると、事故は重大化し、取返しがつかない事態になりかねません。
安全に海でのレジャーを楽しむために、次のポイントを心がけてください。
- ライフジャケットは必ず着用する: SUPや水上バイクはもちろん、磯遊びや釣りでも命を守る最も確実な手段です。買って(借りて)そのままではなく、必ず試着し効果を確認する。
- 気象・海況を事前に確認する :風速・波高・潮流は事故の大きな要因になります。「少し荒れてきた」と感じたら、早めに切り上げる判断も大切です。
- 無理をしない・単独で行動しない: 体力が落ちていると、落水後にボードや浜へ戻れない、泳ぎきれないなどのリスクが高まります。また、「プールで○○メートル泳ぎ切ったことがある」などはあてになりません。海には変化する波・うねりに加えて潮流があります。これらを読み切ることは経験豊かな漁師でも難しい!「もう少し大丈夫はもう危ない」。
- 周囲の人との距離を保つ :水上バイクやSUPはスピードや進行方向が急に変わることがあり、人との接触事故多い。特性を知ったうえ無闇に近づかない。
- 子どもから目を離さない :浅瀬でも転倒したりして、潮に流される事故が起きています。小学校低学年以下の子供達を海で遊ばせる際には目を離さないことが肝要です。
海でのレジャーは、正しい準備と高い安全意識があれば、もっと安心して楽しめます。 自分自身と大切な人の命を守るために、安全意識の向上に心掛けましょう。
⑶ 扇島「アンローダークレーン解体工事中の事故」続報!
事故概要
- 発生場所:JFEスチール東日本製鉄所(川崎市川崎区・扇島)
- 発生日時:2026年4月7日午前10時30分
- 状況
- 鉱石陸揚げ用大型アンローダークレーンの解体工事で、カウンターウェイト(:筒状の重錘〔500㌧〕)内部のコンクリートを掘削作業中、重錘(落下時約400㌧)が落下、岸壁を突き破り下の海に海没したもの。
- 掘削用重機とともに重錘の上でコンクリートの掘削作業に当たっていた作業員5名が約35mの高さから約400㌧の重錘と崩壊した足場(支保工?)とともに転落した。
- 被害者:死亡3名・行方不明1名(行方不明となっていた1名は7月17日、捜索中のダイバーにより発見、収容されました。)
今後の動き
- 捜査・行政調査
- 警察(川崎署):業務上過失致死容疑で捜査継続中。⇒ 落下の原因を特定するため、海中の重錘・足場等の現状調査と引き上げが必須。
- 労働局(神奈川労働局):安全管理体制の調査。 ⇒ 解体手順・作業指揮系統・安全基準の遵守状況を確認。
- 発注者
- JFEスチール社内調査委員会:技術的原因の解析。 ⇒ 材質・溶接部・掘削手順の検証を実施。 ⇒ 社内教育・施工マニュアルの改訂など?
構造的背景:なぜ日本のマリコンは多重下請け構造を維持するのか?
日本の港湾建設(マリコン)業界では、多重下請けの構造が半世紀以上にわたり固定化してしまっている。これは単なる慣習ではなく、港湾工事の性質・制度・地域性・経済構造が複合的に絡み合った結果として「制度的・経済的に固定化された構造」となっていて、事故原因には、この構造的問題が深く関与しているとされる。 日本のマリコンが多重下請け構造を維持するのは、 港湾工事の規模・専門性・地域性・入札制度・労務リスク・責任分散という 複合的要因が絡み合い、構造的になかなか解消できない仕組みとなっているためである。 扇島の事故は、この構造的弱点が顕在化した典型例であり、多重下請け構造そのものが事故の背景要因となった。
英国の⁷TWC(Temporary Works Coordinator)制度導入への動き
TWC制度は、仮設構造物を「設計から撤去まで」一元管理する安全文化の象徴で、 日本の港湾工事にかかる事故(扇島事故など)は、まさにこの制度の原点にある「安全を担保する制度」が欠如していた結果と言うことができる。 我が国がTWC制度を導入することは、単なる模倣であるばかりではなく、「責任の明確化と安全文化の再構築」という本質的な産業構造改革につながるものとして期待されています。この制度は英国で議論の末生み出された仮設工事の安全に関する司令塔的制度で、日本でも大手企業や官庁が導入をし始めてはいるものの、港湾・土木では多重下請け構造とコスト優先の企業風土が障壁となって、制度化はまだ途上にある。
⁷TWC(Temporary Works Coordinator)制度:TWC制度とは、仮設工事の安全を「計画段階で確保する」ために、 設計・チェック・施工の整合性を一元管理し、危険があれば作業を止める権限を持つ専門責任者制度。発祥は英国で、1970〜80年代に多発した仮設構造物事故を契機として 「仮設を専門責任者が一元管理する仕組み」として確立された。
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四方海話96 ーときの話題ー§52 おわり
つぎは 四方海話97 ーときの話題ー§53 です。

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