ー ときの話題 ー §36
1 悲劇の海棲哺乳類(ステラー海牛)
2 <BBNJ協定>ってなんだ?
3 気になるニュース・話題・心配ごと
⑴ 国際プラスチック条約に向けた政府間交渉委員会(INC-5.2)の結果は?
⑵ TICAD 2025
⑶ 7~8月の主な海難(MSJCフォロー)
① 伊豆大島の漁船第16操丸漂流海難
➁ 大分県津久見沖、砂利運搬船・ヨット衝突海難事件
➂ 漁船の漂流、乗揚げ海難(2件)
④ 漁船とPB (プレジャーボート)衝突海難事件
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1 悲劇の海棲哺乳類(ステラー海牛)
ジュゴンやマナティーは絶滅危惧種に指定されていますが、保護活動の甲斐あってまだ生息しています。しかし、同じ海牛目ジュゴン科に属するステラー海牛(発見者:ドイツ人医師、博物学者ゲオルク・ウィルヘルム・シュテラー〔ステラー〕他)は残念ながら1768年に全滅したと伝えられています。

ステラー海牛の模型・画像(ロンドンの自然史博物館)
出典:ウィキぺディア、クリエイティブ・コモンズ表示-継承2.5ジェネリック 著者:Emőke Dénesさん・not edited.
体長は7 – 10メートル、体重は8-10トンにも達したとされており、海牛類として最大の種であったことがうかがわれます。
発見から絶滅までの経緯
ヴィクトス・ヨナセン・ベーリング(1681 ~ 1741:デンマーク生まれ、帝政ロシア時代の航海士、探検家 、ユーラシア大陸とアメリカ大陸が海〔ベーリング海峡〕により分断されていることを発見した。)による2回のアラスカやアリューシャン列島の探検の最終章、彼が指揮する「セント・ピョートル号」は嵐に遭い漂流ののち、1741年11月、コマンドル諸島の無人島に漂着、座礁し、その地で越冬する。多くの乗組員は「壊血病」(:ビタミンCの欠乏〔野菜不足〕による出血性障害、帆船時代の多くの船乗りが悩まされた。)で次々に亡くなり、ベーリング自身も1741年12月初旬に亡くなった。
この探検航海に同行していたドイツ人医師で博物学者のゲオルク・ヴィルヘルム・シュテラー(=ステラ―、1709 ~ 1746)は生き残った船員たちに海藻を食べるよう勧め、壊血病の予防に努めたとの逸話が伝わっている。また、無人島(後のベーリング島)は幸運にも海藻の他、ラッコやウミウ(メガネ鵜)、海牛など食料となる動物が豊富だった。
シュテラーの観察によれば、ステラ―海牛は浅瀬や海岸を好み、河口でも頻繁に見ることができたとされ、おそらくはほとんど海中に潜ることができずに丸く隆起した背中の上部を常に水面上に露出する状態で海面を漂い、島の周辺の浅い海に群れをなして生息していたのではないかとし、さらには、幼獣は群れの中央で育まれ、番(つがい)の絆はとても強かった。動きが鈍重で、人間に対する警戒心もほとんどなかったようで、人間からの攻撃に対しても逃げることもせず、ひたすら海底に蹲るだけだった。また、仲間が殺されると助けようとするかのように集まってくる習性が見受けられ、特に雌が傷つけられたり殺されたりすると雄が何頭も近寄ってきて取り囲み、突き刺さった銛(もり)や絡まったロープを外そうとしたりしたと伝えている。
遭難生活中のシュテラーたちにとって、この海牛たちは有用な食料源となった。美味であるばかりでなく、比較的長く保存することができたらしく、その肉は彼等が島を脱出する際にも大きな助けとなった。皮は靴やベルトに、さらには船を波浪の打ち込みから守るカバーなどにも利用され、ミルクは直接飲まれたほかバターにも加工された。脂肪は甘いアーモンド・オイルのような味がし、食用油やランプの灯油にも使われた由。彼らが生還できたのは、「ステラ―海牛が居てこそ!」と言っても言い過ぎではない。
彼等はこの島を「ベーリング島」と名付けるとともに、大破した「セント・ピョートル号」の残骸を寄せ集めて小型の帆船を造って脱出、1742年8月末、ペトロパヴロフスク・カムチャツキーにたどり着きました。

ベーリング海周辺の地図:赤矢印はベーリング島(赤矢印筆者加筆)
(元典:ウィキぺディア、PD、著者:Demisさん)
シュテラー達がペトロパブロフスク・カムチャツキーへ生還を果たしたのち、彼等の話が元でカムチャツカの毛皮商人やハンター達が数多くコマンドル諸島へ向かい、乱獲が始まります。一方、シュテラー自身は1746年、ペテルブルクへの帰途中に病死してしまいましたが、挿絵を含む多くの遺稿を残し、その中から「ベーリング海の海獣調査」「カムチャッカ誌」「ベーリング島誌」などが刊行されました。シュテラー(と乗組員)が発見し、書籍により存在が伝えられることとなったステラー海牛とメガネ鵜(別名ベーリングシマ鵜)は、皮肉にもシュテラー等の報告が元となって、ステラー海牛は1768年、メガネ鵜は1852年頃に絶滅してしまいました。
1768年、シュテラーの昔の仲間が島へ渡り、「まだ海牛が2~3頭残っていたので殺した。」と伝えていたそうで、これがステラー海牛に関する最後の記録となった由。ステラー海牛は、発見から僅か27年で姿を消したことになります。
ステラー海牛の祖先の化石発見例
ステラー海牛の祖先は「ドゥシシレン属」と呼ばれる海牛の一属です。日本列島でも化石の発見例があり、同族の進化の過程を知るうえで貴重な化石です。以下、初期の海牛類の出現から古い順に化石の名前と推定生息期間、化石発見場所などを列記してみることにします。
- プロラストムス 始新世前期~中期(約5,600万年前から3,390万年前) 北アフリカ・西アジア(旧テチス海沿岸)水陸両生?
- ペゾシーレン 始新世前期~中期 ジャマイカ 水陸両生?
- プロトシーレン 始新世中期〜後期(約4600万年前〜3700万年前) 北アメリカ アフリカ北部(エジプト) ヨーロッパ(フランス、ドイツ) アジア(インド、パキスタン) 後肢は残っていたが退化傾向(浅い海や沿岸部を遊泳または這うようにして移動し、海藻などを捕食していたか?)
- エオシーレン 始新世後期 北アフリカや西アジア、テチス海沿岸地域 より水棲に特化した骨格、プロトシーレンより進化。
- メタキシテリウム 漸新世から中新世 イタリア、フランス、スペイン、フロリダなど ジュゴン科の原始的な属、歯の退化が始まる。
- ハリテリウム 漸新世~中新世 ドイツ、フランスなど ジュゴン科の基盤的な種、歯列や骨格がドゥシシレンに近づく。
- ラインハルト海牛 約2,000万年前~1,590万年前ころ メキシコ・バハ・カリフォルニア州
- ヨルダ二海牛 約1,400万年前~720万年前ころ アメリカ・カリフォルニア州
- ヤマガタダイ海牛 約1,150万年前~720万年前ころ 日本・山形県
- アイヅタカサト海牛 約1,160万年前~530万年前ころ 日本・福島県
- タキカワ海牛 約500万年前~400万年前ころ 日本・北海道滝川市
- クエスタ海牛 約360万年前~260万年前ころ アメリカ・カリフォルニア州
- ピリカ海牛 ~約120万年前ころ 日本・北海道瀬棚郡
- キタヒロシマ海牛 ~約100万年前ころ 日本・北海道北広島市
- ステラー海牛 ~1768年絶滅

ヨルダ二海牛のイラスト(出典:ウィキぺディア、クリエイティブ・コモンズ表示-継承4.0国際ライセンス)
〔著者:田村 信 (http://spinops.blogspot.ca/)さん〕・not edited.
ステラー海牛の食性
大きな体にもかかわらず、海藻(コンブやオニワカメ:褐藻類など)を主食としていたようで、硬い口先と海藻を磨り潰せるよう進化した歯、動きの良い唇を使って、岩などに生えた海藻をはぎ取るように食べていたらしい。この食性は、寒冷な環境に適応した結果とも言えますが、冬の流氷の季節には海岸が氷で覆われると餌が食べられず、脂肪が失われ皮膚の下の骨が浮き上がるほど瘦せ細ったとのことですから、1年間のうち多くの期間は絶食またはそれに近い状況にあった可能性があります。褐藻類だけで巨体を維持できるのか?も大きな疑問ですが、逆説的ではありますが、その巨体は、冬季の絶食期間を生き抜くため(越冬適応のため)に大きな体に進化していったのではないでしょうか?
1768年以後の目撃例など
- アリューシャン列島のアッツ島では1800年代までステラー海牛の捕獲が行われていたとする報告があるという。
- 1963年、ベーリング海北部のアナディリ湾でソ連の科学者により、6頭の見慣れない体長6~8㍍程の海獣の群れが目撃されている。それがステラー海牛なのか他の海獣類を見間違えたのかは不明。
- 千島列島北部、カムチャッカ半島、チュクチ半島(ベーリング海北部、ロシア領)からも地元の漁師たちによる目撃情報(日時不詳)が寄せられているらしい。
絶滅したと云えられているとはいえ、彼等の進化の長い歴史からすれば、257年前の絶滅宣言は「つい最近のこと!」、ベーリング海は広大な海域で、しかも厳しい気候や地形のため人間が定住するには適していない無人島も多い!「ステラー海牛」はどこかできっと命を繫いでいるものと確信しています。
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2 <BBNJ協定>ってなんだ?
今年6月、フランス・ニースで第3回国連海洋会議(UNOCー3)が開催され、持続可能な開発目標(SDGs)の目標14(SDG14:海の豊かさを守ろう)の達成に向けた会議(別名、海洋サミット)で、様々な議題が討論されるなか、最も注目を集めたのが「BBNJ協定」と「深海底の鉱物資源開発」についてでした。
<BBNJ協定>とは「国連海洋法条約」(UNCLOS:1982年、第3次国連海洋法会議において採択された)を補完する新たな枠組みとして、「公海における深海底の海洋資源や海の生物多様性は人類共通の財産」という認識のもとで国際社会が20年以上かけて議論してきた成果として、簡単に云えば
「公海や深海(底)など、どの国にも属さない海洋資源や海の生物多様性を守るための国際ルール」
と云うことができます。
正式名称
(和名)「海洋法に関する国際連合条約に基づくいずれの国の管轄にも属さない区域における海洋の生物の多様性の保全及び持続可能な利用に関する協定」(略称:国連公海等生物多様性協定)
(英語名)The Agreement under the United Nations Convention on the Law of the Sea on the Conservation and Sustainable Use of Marine Biological Diversity of Areas Beyond National Jurisdiction(略称:BBNJ協定)

BBNJ協定概念図(出典:外務省資料)・not edited.
主な目的
- 海洋遺伝資源の管理と利益配分
医薬品開発やバイオ技術に利用される深海の生物などの資源を、先進国だけでなく途上国にも公平に分配する仕組みをつくる。
- 海洋保護区の設定(区域型管理)
公海に「保護区」を設けて、生態系の破壊を防ぐ。科学的根拠に基づいて区域を特定して保全措置を講じる。
- 環境影響評価の義務化
公海での開発や活動(採掘・調査など)に対して、事前に環境への影響を評価し、必要に応じて制限する。
- 途上国への技術移転と能力構築支援
海洋調査や保全活動に必要な技術や知識を、発展途上国にも提供し、協定の実施能力を高める。
主な内容
- 海洋遺伝資源
公海に存在する生物から得られる遺伝資源(医薬品・化粧品などに応用可能)については、採取・利用の通報義務を課し、その利益の公正かつ公平な配分(特に途上国への配慮)が必要とされる。
- 区域に基づく管理措置
生態系保護のために海洋保護区を設定するとともに、科学的根拠に基づき、特定区域での活動を制限・管理する。
- 環境影響評価
公海や深海底での活動(採掘・調査など)に対して、事前の環境影響評価を義務化し、評価結果の共有と透明性を確保する。
- 能力構築・技術移転
途上国が協定を実施できるよう、技術支援・知識の共有・資金援助を促進する。
協定の発効までの行程
<BBNJ協定>は、批准国数が60ヶ国となった日から120日後に発効する。(協定第68条1)
2025年5月23日 BBNJ協定の締結について日本の国会で承認された。
2025年6月9日(UNOCー3開会の日)現在、BBNJ協定を批准した国の数は 51か国で、年内にも発効の可能性があります。
「環境影響評価ガイドライン」公表
環境省は、BBNJ協定に対応する国内措置として、2025年6月に「公海等における環境影響評価の実施に関するガイドライン」を公表しました。このガイドラインは、BBNJ協定に基づき、日本の事業者が公海や深海底で活動を行う際に、環境影響評価(EIA)を適切に実施するための手続きや基準を定めたものです。
協定発効後のプロセス
協定発効後は締約国間相互の協力と国内の制度設計が重要となり、今後の動向を注視しながら、各国の科学的知見の開示と公平な仕組みづくりが求められます。
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3 気になるニュース・話題・心配ごと
⑴ 国際プラスチック条約に向けた政府間交渉委員会(INC-5.2)の結果は?
8月5日から15日までの間、スイス・ジュネーブで、184か国の国連加盟国、関係国際機関、NGO等が参加して「プラスチック汚染に関する法的拘束力のある国際文書(条約)の策定に向けた第5回政府間交渉委員会再開会合(INC5.2)」が開催されました。
当初の予定では、8月14日までの日程で計画されていましたが、議論の進展や合意の難航に伴い、8月15日まで会期が延長されました。延長の理由は、主要な論点に関する意見の隔たりが非常に大きかったためで、特に焦点となったのは以下のような項目でした。
- プラスチックの生産規制: ヨーロッパやアフリカの多くの国が段階的な削減を求めた一方で、石油産出国やインド、ロシアなどが強硬に反対しました。規制の具体的な形を巡って議論が紛糾し、妥協案が見つけることはできなかった。
- 化学物質使用の制限: プラスチックの生産の際に使用される有害な化学物質のリスト化についても、多くの国が支持する一方、経済への影響を懸念する国々が反対し、合意に至らなかった。
- 意思決定ルールの変更: 条約会議(COP)での「過半数投票の導入」を支持する国が増えている一方で、現行の「全会一致ルール」を維持したい国との間で意見が割れました。
次回の会合(INC-6)の開催予定は、現在のところまだ正式決定されていない‼
⑵ TICAD 2025
TICAD 2025(第9回アフリカ開発会議:TICAD9)が8月20日~22日の間、横浜市で開催されました。

「TICAD9横浜宣言」の概要(出典:外務省HP)・not edited.
ー用語の説明ー
FOIP(Free and Open Indo-Pacific):「自由で開かれたインド太平洋」、「法の支配」、「航行の自由」、「自由貿易」などの基本原則を推進し、インド太平洋地域全体の平和と繁栄を保障しようとする構想で、2016年の第6回TICADの際に当時の安倍晋三首相が提唱しました。
AfCFTA(African Continental Free Trade Area):アフリカ全土を対象とした自由貿易協定、協定の主な目的は、関税の撤廃や地域経済の統合を進め、アフリカの経済成長や国際競争力の強化を図ることで、域内の貿易比率を高め、産業育成や経済発展にもつながることが期待されています。
EPSA(Enhanced Private Sector Assistance for Africa):アフリカ向け民間セクターの支援強化策⇒日本政府とアフリカ開発銀行が協力し、アフリカの経済成長と開発を促進するための支援強化策です。民間投資の拡大支援、金融アクセスの改善、デジタル技術やエネルギー分野での連携を含みます。
ユニバーサルヘルスカバレッジ(UHC):すべての人が必要なときに、負担可能な費用で「基本的な保健医療サービスを受けられる。」ことを目指す国際的な目標です。持続可能な開発目標(SDGs)に組み込まれ、特にGOAL3(「すべての人に健康と福祉を」:あらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を推進する。)の重要な要素として位置付けられています。
⑶ 7~8月の主な海難(MSJCフォロー)
① 伊豆大島の漁船第16操丸漂流海難
今年3月29日に伊豆大島元町港を出港した小型漁船「第16操丸」(7.3㌧、1名乗組み)が帰港せず、70代の船長とともに行方不明となりました。
6月30日、太平洋上の航行船舶から「漂流中の小型漁船を見た」旨の情報があり、捜索を再開した。
7月2日夜間、静岡県下田市から約1,350㌖離れた太平洋上で、巡視船が「第16操丸」を発見した。
甲板上で、性別の確認が困難なほど腐敗が進んだ遺体を発見し、DNA鑑定と歯型照合により身元の確認が進行中とのことです。
操業中、船長の突然の不調により惹起されたと思われるこの悲惨な海難は、一人乗りの小型漁船の宿命とも言えるもので、漁船にかかる事故再発防止上、EPIRB(非常用位置指示無線標識)あるいはAIS(船舶自動識別装置)の搭載の徹底を図る必要がある。
➁ 大分県津久見沖、砂利運搬船・ヨット衝突海難事件
8月13日0815ころ、大分県津久見市保戸島の北東約2kmの海上で砂利運搬船「第38さだ丸」(約492トン)とヨットが衝突し、ヨットは沈没、船長(大分市の医師、70歳)が死亡するという海難事故が発生しました。

事故発生海域(円内)(出典:国土地理院地図上に筆者作図)
報道記事の寄せ集めで詳細が不明ですが、事故当時は霧が濃く、視程が50~200メートルだったとしています。砂利運搬船の船長は業務上過失致死および業務上過失往来危険の疑いで逮捕され、運輸安全委員会は事故原因の調査を開始しました。
濃霧等狭視界時の安全運航のための必要事項(一般論)
- 気象・海象の変化の早期把握と、余裕のある航海計画の立案に努める。
- 状況に応じた適切な見張り(見張り員の配置)を励行。
- 状況に応じた安全な速力で航行。
- 適切な避航動作と遠ざかるまで連続的に監視。
- 海上保安庁が提供している霧通報、MICS(海の安全情報)を有効に活用。
- レーダー、AIS(船舶自動識別装置)等を有効かつ適切に使用する。
それぞれの船の諸元や安全装備(AISやVHFの装備)については公表されていないので現時点では判りません。事故調査委員会の調査報告書の早期公表が待たれます。
➂ 漁船の漂流、乗揚げ海難(2件)
- 7月24日、新潟市西区の海岸にある消波ブロックで、佐渡漁協両津支所所属の漁船「第三甚徳丸」(約8トン、長さ約12メートル)が乗り上げているのが発見されました。船内に人はおらず、機関やレーダーは作動したままでした。新潟海上保安部の調査によると、所有者は佐渡市在住の70代男性で、佐渡島の両津港には男性所有の軽トラックが停められたままであることが確認されました。 新潟海上保安部は、男性が海中に転落した可能性があるとして、調査を続けています。
- 8月21日、青森県尻屋崎灯台の南西約650メートルの海岸で、漁船「洋丸」(青森県むつ市大畑町漁協所属、4.88トン、所有者はむつ市在住の74歳男性)が座礁しているのを尻屋漁協職員が発見し通報しました。下北消防本部の水難救助隊が船内で男性を発見し救出しましたが、現場で死亡が確認されました。八戸海上保安部が座礁原因や船長の死亡原因を調査中です。
④ 漁船とPB (プレジャーボート)衝突海難事件
事件概要(第七管区・佐世保海上保安部の公表資料から)
令和7年7月27日午前10時27分ころ、第七管区海上保安本部は漁船乗組員から「西海市松島の北沖で漁船と小船が衝突した。小船から1人落ちたので救助したが、心肺停止の状態である。」旨118番通報を受けた。
佐世保海上保安部所属の巡視艇が出動し対応したところ、松島北方海域において漁船A丸(長さ16.14メートル)とプレジャーボートB丸(長さ4.94メートル)が衝突、B丸船長が海中転落し、A丸により救助されるも心肺停止状態であり、その後搬送先の病院でB丸船長の死亡が確認された。
また、現場海域ではB丸が二つに割れ、船首部と船尾部が漂流している状況であったことから、巡視艇により回収した。
船長を「業務上過失致死及び業務上過失往来危険」の容疑で通常逮捕した。衝突原因等については現在調査中である。



(出展:上記画像3葉は七管区・佐世保海上保安部の公表資料に添付されたもの)・not edited.

衝突事件発生海域(出典:国土地理院地図上に筆者作図、赤丸及び赤字)
以上の事例は、7~8月の小型船舶の関わる海難事故の全てを網羅するものではありません。著者において主な事例を取捨選択しています。
令和6年の船舶事故等の状況(内訳)

(出典:内閣府「令和7年度版交通安全白書」:海上保安庁による集計)
ーお知らせー
◇MSJC懇話会について◇
MSJC:More Safety Japan Coast
1「日本の海の安全・安心」を目指して、AISclassB・VHF無線装置(5w・BT型)・EPIRB(非常用位置指示無線標識)の全ての小型船への搭載を奨励しています。
2 MSJC懇話会では広くご意見を求めています。
(メールアドレス:msjc2511@yahoo.co.jp)
3 MSJC懇話会は非営利グループです。会費の徴収などはしておりません。どなたでもご意見があればご自由に参加して下さい。
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四方海話80 ーときの話題ー §36 おわり
次回は 四方海話81 ーときの話題ー §37 です。

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